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嘘でもいいのに ページ33

亜嵐side






A「…白濱くん、冗談は…」


亜嵐「冗談じゃないって、…分かってるでしょ。4年前から。」





静かにそう言うと、きゅっと唇を結んで

また苦しそうに俯く。





亜嵐「……ずっと好きだよ。…4年前から、先生のこと思い出さない日なんてなかった。…結婚してるって分かってても…諦めらんない。」






言ったらダメだって分かってるはずなのに

これから先のことなんてもう、どうでもよくなっちゃって。






亜嵐「……先生は、俺のこと好きじゃない?」






そんな質問に

先生は真っ直ぐ俺を見つめるだけで、一向に口を開こうとはしない。




…なんでよ

もう、いいのに。






亜嵐「……答えてよ、先生…」






そう懇願する俺の手を、先生は優しく握り返すだけ。


その手すら寂しく感じて

今ここで、すぐにでも、俺だけの人にしたいって


そんな最悪な考えも浮かんでしまうほどだった。





…嘘でもいいのに


嘘でも、好きって

その2文字を伝えてくれれば、俺、それだけでいいのに。





…真面目すぎんだよ。


そういうとこも、4年前から変わってないね。





やっぱりダメなんだ。



タイミング?シチュエーション?


全部が、俺たちを繋げてくれない。





だったら、会えないままでよかったのに。


あの別れからもう、二度と会えないままで、そんな恋でよかったのに。






亜嵐「…ごめん、困らせて。」





言いながら手を離す。


ああ、また泣きそうになってんのか、俺。

…だっせーな






もう帰ろうと鞄に手を伸ばした




そのとき







A「…白濱くん、わたしね、」






震える声で俺を呼んだA先生


涙を拭くのも忘れて、その姿を見た。






A「…わたしね、」


亜嵐「……うん。」


A「…わたし、ずっと」








__________ガラッ








「お、まだいたんだ。」






先生が何か言いかけた時

準備室のドアが開いて、違う学年の先生が入ってくる。




…ああ、なんで俺らって 最後までこうなんだろ。






亜嵐「…お疲れ様です。」


「お疲れ。もう帰んの?」


亜嵐「…はい、そろそろ…」


「お、俺ももう帰んだよ。どう、一杯行く?」


亜嵐「…いや、」


「遠慮すんなよ年下なのに。ほら行こう白濱!」





そんな強引な先生に腕を引っ張られ

抵抗も虚しく無理やり外に出される。





最後に見えたA先生の横顔は

寂しそうに俯いていた。



緊張と嬉しさ→←これ以上



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ゆうき(プロフ) - すごく面白かったです。続編、書いてほしいです。 (2019年9月18日 21時) (レス) id: 9e39fec3dc (このIDを非表示/違反報告)
わたし - 読ませていただきました!続編読んでみたいです!!占ツクでこのお話が一番大好きで定期的に読ませてもらってます!ありがとうございます! (2018年10月5日 23時) (レス) id: 30aa3f8e55 (このIDを非表示/違反報告)
こぁお - うわあ、きなこさん、さすがです。 本当に面白かったです。 感動をありがとうございました。 (2018年2月7日 18時) (レス) id: bd05a1edf1 (このIDを非表示/違反報告)
実波 - 久しぶりに読みました。これ、続編ないんですか?笑 (2017年9月26日 7時) (レス) id: 6e3449be8e (このIDを非表示/違反報告)
まぁ(プロフ) - しばらく開いていなかった占ツク。きなこさんの最初の作品から読ませていただいています。冬のお話を、夏に読んじゃいましたが、きなこさんの世界観はやっぱり素敵だなと思います。この作品以降のものも時間を見つけて全部読ませていただきます! (2017年8月17日 14時) (レス) id: c2a087ffac (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:きなこ | 作成日時:2017年2月1日 21時

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