オカマ ページ8
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【視点→A】 5月12日 16:25
私が図書室へ本を返しに行って、別の本を借りてから保健室に戻って来た時には、保健室には真ちゃんしか居なかった。
「あれ……あの赤い髪の毛の人は？」
「…………」
無視かーい。
もっかい言ってやろ。
「あれれ〜？さっきの赤い髪の人が見当たらないな〜？」
見た目は子どもで頭脳は大人な名探偵風に言うと、真ちゃんは「さっき迎えが来て帰ったのだよ」と返事をしてくれた。
私はソファーに座って本を読んでいる真ちゃんの隣にさりげなく座る。
「なっ！！！」
真ちゃんの顔はトマトのように赤くなる。
そんなところも可愛い。
「え？まだ赤くなっちゃう？私達、付き合ってもう３年目じゃん」
「付き合ってないのだよ……！保健委員が３年目だろ！」
そうなのだよ。私と真ちゃんは３年連続、保健委員をやっている(しかも３年間同じクラス)。
1年生の頃はお互い警戒していたけど……知らない間に打ち解けて？いった。
「……何年経っても、隣に座られるのは慣れないのだよ」
「ふーん。ま、卒業までには慣れてよ」
私も真ちゃんの隣で先程借りてきた本を読み始めた。
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「おい」
本に夢中になっていたら、真ちゃんが話しかけてきた。
「ん？今いい所なんだけど……この女の人の正体分かりそうなんだけど」
「……ソイツは女じゃなくてオカマなのだよ」
「うわああああ！！！何で言っちゃうの！」
「ん？早く知りたかったのだろう？」
真ちゃんのはキョトンとした顔に、怒る気も失せる。
善意か……？
善意なのか？
そのネタバレは全力の善意なのか……？
深く深く溜息をつくと、真ちゃんが小さな声で呟いた。
「……お前に聞きたい事がある」
「ん？なに？」
真ちゃんの顔、絵の具みたいに真っ赤。
いつもみたいな照れ顔とか……そんなレベルじゃない。
熱があるのかな？
さっき短時間で赤い髪の毛の人にうつされたのかな？
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作者名：早咲サクラ | 作成日時：2014年5月16日 17時
