嫉妬 ページ7
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【視点→緑間】 5月12日 16:10
遅れて保健室にやって来たアホ川は、赤司を拾ってきた。
「真ちゃん…この人、廊下にうずくまってて……熱が」
別に肩組まなくてもいいだろう。
それに、距離も近すぎる。
「……そこに寝かせろ」
オレはベッドを指差すと、アホ川は「ん、りょーかい」と言って、赤司をベッドへ誘導し、寝かせた。
「すまない…ありがとう」
赤司は照れたように微笑む。
お前、バスケ部主将だろ。顔が緩みすぎなのだよ!
「どーいたしまして」
アホ川も!赤司に微笑まれたくらいで照れるな!だったらオレがお前に微笑んでやるのだよ!
……イライラする。
オレは職員室に居る養護教諭に連絡を入れてから体温計を持ってベッドへ行った。
赤司とアホ川は仲良さそうに喋っている。
「……夏川さん」
「えええ?……どうして私の名前を?」
オレが側に来た事にも気づかず……仲良さそうに喋って居る(緑間ビジョン)
「3年間同じクラスだったから、間違えるわけがない」
「えええ!?……あ、そういえばそんな気が……?」
夏川、もしかして赤司の事覚えてなかったのか?
3年間同じクラスだったのに。
……にしても仲良さそうに喋ってるな(緑間ビジョン)
「何故そんなに動揺してるんだ?」
「べ、べべべべ別に動揺なんてしてないのだよよよよよ」
こんな2人を見ているのは、我慢の限界だ……
「おい赤司、体温を測れ」
オレは赤司に体温計を投げた。
「あっ、真ちゃん!」
「………なんなのだよ」
オレは別に嫉妬などしてないのだよ。
だから、体温計を投げた事も謝る気はないのだよ。
「本返すの忘れてたから返して来てもいい?」
「あ、あぁ…行ってこい」
なんだ…まだ返してなかったのか。
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作者名:早咲サクラ | 作成日時:2014年5月16日 17時