スルメへの告白 ページ17
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【side→緑間】 6月4日 10:40
最近、夏川とあまり喋っていない。
先月まではオレが夏川の隣の席だったが、今月は赤司が夏川の隣の席だ。
夏川は赤司とばかり喋っている。
嫉妬しているわけじゃない。断じて違う……と強がってみても、虚しくなるだけだった。
オレはいつから臆病者になったんだ？
夏川が赤司と喋っているのが嫌なら、自分から夏川に話しかければいいだろ？
オレは今、人事を尽くしていない。――人事を尽くさねば！
オレは、赤司と喋っている夏川に近づき、声をかけた。
「な、な……なちゅかわ！」
「し……真ちゃんっ！！……ププッ。どうしたの？」
「なちゅかわ……クスッ」
夏川が笑い、赤司に馬鹿にされたのだよ…でも、オレはめげない。人事を尽くす。
「夏川と2人で喋りたい、のだよ」
「真ちゃん……」
夏川が珍しく照れている……だと？！
その事実にオレも顔が火照り、ふたりで見つめ合っていると、赤司がいきなり夏川の腕を優しく掴んだ。
「僕も夏川さんと“
『誰も居ない所で、2人きりで』喋りたい……」
「え、赤司君……！！」
夏川は赤司に迫られ、鼻血を出している。
クソッ……赤司に負けるわけにはいかない！
「A！」
「へっ！！」
「好きだ！」
「はぁ！？」
――オレはなんて事を言っているのだよ！ここではムードが無いじゃないか！
よし、誤魔化すのだよ。
「……スルメが、好きだ！！」
「えっ、真ちゃんスルメ好きだったの…？」
「あ、あぁ」
夏川がお腹をかかえながら「じゃ、今年の真ちゃんへの誕プレはスルメなのだよ〜」と言って笑い転げた。
別にスルメは好きではないが……誤魔化せたのなら、なによりだ。
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作者名：早咲サクラ | 作成日時：2014年5月16日 17時
