( 3 )夢の国。__番外編 ページ16
A「ちょっとお手洗い行ってくる」
そう幸男に伝えてやってきたのはお土産屋。
分かる通り、私はお手洗いではなく幸男へのプレゼントを買いに来た。
卒業式に私はネックレスを貰っているがペアではないため、幸男は何も身につけていない。
女避け、なんて意味も込めて私もネックレスをあげようかと考えた。
A「これなら男の子が付けても良い感じかなぁ」
至ってシンプルなデザイン。
私はそれに決めて、会計を済ませて店を出る。
少しお手洗いの方向とは違うため、何も無かったかのように遠回りして幸男の所へ戻った。
A「お待たせ…ってなにその幸男の抱えてる巨大なぬいぐるみ」
戻ってきた時は幸男の背中で隠れて見えなかったが、まあまあ大きいぬいぐるみを抱えていた幸男。
A「渚男に?
でも渚男、ぬいぐるみなんて好きだったっけ」
笠松「アホか、お前にだよ」
A「私!?」
そう言うと私のもとへ押し付けられたぬいぐるみ。
結構抱えるのが大変だな。
「今日の思い出」という幸男は、こうやっていない時にこうするところはロマンチックだし、案外私と似てるんだなと思う。
…ってそういう場合じゃない。
A「幸男屈んで」
笠松「?」
A「いいから」
そうやって屈んでくれた幸男の首にネックレスを付ける。
笠松「お前…」
A「私だけじゃあね。
しかも大学行ったら、幸男モテそうだし」
笠松「お前以外の女子とまともに話せねぇのにか?」
A「慣れるかもしれないだろ」
今まで部活にしか取り組んでこなかった幸男。
周りがほぼ男子の環境だったために女子が苦手。由孝はまぁ、あれは論外だが。
だが大学となると出会いの場なんて大量にある。
同じ大学の由孝なんて、その大学には可愛い子がいっぱい居るとか言ってたから尚更だ。
笠松「お前結局やってること俺と同じじゃねーか何もかも」
A「まぁな、幼馴染なんてそんなもんだろ」
笠松「そうかもな」
2人で笑い合っていると由孝と黄瀬が来た。
由孝に「ちゃんとデート出来た?」と言われたので満面の笑みでうんと答える。
黄瀬「今度は俺と一緒に2人きりで行こーねA先輩」
笠松「行かせねーよ」
相変わらず言い合いしてる2人。
A「じゃあ、帰ろうか」
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作者名:神無月 | 作成日時:2019年9月23日 20時