お調子者２号【宮地清志】

( 8 )貸してください！ ページ9

授業中。
私は朝のうちに借りてきた古武術についての本を読んでいた。



「高尾A、授業を真面目に…」

A「答えはx=-1/2の時、最小値7/4ですよね〜」

「…」



チラッと問題を見ると比較的簡単な問題がずらりと並んでいる。
アメリカの方でも学校に通っていた為、ここらへんの範囲は記憶済みだった。


それよりも古武術だ。


私は知らないことがあると凄く気になってしまって夜も眠れない。
ちゃんと知るまでは、と正邦高校をまとめたノートに書いていると授業終了のチャイムが鳴る。



高尾「流石すぎかA」

A「まーね。あれ、あっちでやったからね」

高尾「ほんと、頭だけは良いよな」



次体育だぜと言われ、クラスの女子と更衣室に行こうとすると私は重大なことに気付いた。



A「いや、私まだ体操服届いてないんだけど…」



どうしよう。体育はやりたい。

クラスの子に先に行ってて！と言い、私は男子更衣室の方へと走る。
途中でまだ歩いていた和成を捕まえる。



A「和成！ジャージ貸して！」

高尾「はぁ！？いや俺は！？」

A「どうせ和成ズボンでしょ！
ハーフパンツの方貸して！」

高尾「まぁ、いいけど。
俺長袖ジャージ持ってねーよ？」

A「えっ」



なんという。
取り敢えず下は確保したものの、上が無い。

Yシャツでやると怒られそうだし…どうしよう。
とぼとぼ女子更衣室の方へ歩いてる時だった。



宮地「おー、Aじゃん。
どうしたんだよ下向いて」

A「！！宮地さん！」

宮地「…なんだよ」



希望の眼差しでみると嫌な予感と言わんばかりの顔をする宮地さん。



A「ジャージ貸してください！」

宮地「なんでだよ！！！」

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