My Lord.2 (ページ23)

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Aはミセス・ノリスと顔を合わせる。

スネイプのことを相談していたこともあって
彼女も彼の名前に反応したのだ。

ダンブルドア校長とスラグホーン教授が
去るのを見届けてからそろりと医務室へ入る。

今晩はスネイプしか泊まっておらず
室内は静かだった。

奥の方のベッド、スネイプは横になっていたが
何者かの気配に上半身だけ起こし
辺りを見回す。

「誰だ。」

スネイプが下を見ると一匹のハチワレ猫がいた。

「お前は、、、。」

Aは、スネイプと決別したあの出来事
以来一切話していなかったので久々に
顔を合わせる彼に緊張していた。

「僕としたことが、何と情けない。」

何のことだと頭にハテナ印を浮かべて
首を傾げる猫を横に、
スネイプはAから視線を外し指を組んで
語り始めた。

「あの屋敷に行ったんだ今晩。」

Aは今日が満月だと思い出し、
叫びの屋敷にスネイプが行ったのだと察する。

反射的に立ち上がった猫を彼は横目に見る。

「まぁ落ち着け、奴の正体は見ていない。
　粗方見当はついているが直前で止められたんだ、
　あの忌々しいポッターに。
　そこで小競り合いして怪我を負った。
　お前もその様子じゃ知っているんだろう、
　ルーピンが何者なのかを。」

スネイプは最後の言葉とともにAの方を向く。
彼女は“はい”と言うわけにもいかず目を伏せた。

「その反応はイエスと言ってるようなもんだ。
　だが今はそんなことどうでもいい。
　僕はルーピンの正体と他の奴らがどう
　関わっているのかを掴んで校長に言いつける
　つもりだった。
　奴らを退学に追い込むためだ。
　そんな中で昨日、お前と仲良しなブラックに
　今晩面白いものが見れる、叫びの屋敷に来いと
　伝えられた。」

シリウスが、、、？とAは目を見開く。
彼がそんな酷いことをするなんて信じられなかった。

あの状態のルーピンと鉢合わせでもしたら、
一歩間違えば死んでいたかもしれない。

怪我くらいで済んだとしても、今度は
スネイプに正体を知られたら彼ら自身の身を
滅ぼすようなものではないか。

「僕も僕で、今日こそが奴らの足を掴む
　絶好のチャンスだと思って城を抜け出した。
　絶対に自分の身を危険に晒すようなヘマは
　しない自信があった。
　ところが暴れ柳の下にかかったところで後ろから
　ポッターが僕を止めに入った。」

そういうわけだ、とスネイプは言い
包帯に巻かれた足を見せる。