Pentagonと送る徒然草 第3夜

Yuto vs Yuta ページ31

結局ユタヒョンは俺たちの目の前にも関わらず怒涛の勢いで距離を詰めると迎えに来たテヨンさんに怒られながらもちゃっかりAヒョンに頭を撫でられて嬉しそうに帰って行った


『…どしたの、皆？』
Yt「ヒョンのばか、何で」
『え…』
Kn「ユ、ユウト…？」


下を向いてぷるぷる震えるユウトにメンバーが恐る恐る近寄ってくる、しかしキノの手が肩に触れそうになった瞬間ユウトはばっと顔を上げると涙目で叫んだ

Yt「っヒョンは！ユウトよりユウタの方がいいんだ！！！」
「「「「ええええ！！ユウトぉ！？？？」」」


普段クールなメンバーの姿にドン引…いや驚きを隠せないメンバーを余所にきっとAを睨み付けるとユウトは走って控室を出て行ってしまった






Yt「…っは…何してんだ俺…」

人気のないところまで走ってきたユウトは自分のとった行動を思い返して思わず蹲った
普段の自分なら絶対にしないようなあんな言動…ヒョンにはどう映ったんだろう
しゃがみこみながらそっと後ろを向いても誰もいない
そりゃそうだ。メンバーは目の玉取れるんじゃないかってくらい驚いて固まってたしAヒョンだって怪我してるのに追いかけてくる筈がない…子供みたいに拗ねて追いかけて欲しかったなんて俺は莫迦か


Yt「あーもぅ…」


何とか立ち上がると側にあった自販機に手をついた、少しだけ頭を冷やしたら戻ろう
そう思って目を閉じると背後から軽い衝撃が加わった


『…いた』
Yt「！？？」


からん、と何かが転がる音がする
首だけ振り向くとそこには肩越しに手をついて所謂壁ドンをするAヒョンが俺を見詰めていた



Yt「っちょ！？」
『…何で逃げんの？』
Yt「え、や、離れて…！」
『……やだ。こっち見て』
Yt「っ…」

思わず身を捩って暴れるも彼は離れてくれない、耳元にヒョンの声が直接吹き込まれてるみたいで恥ずかしい
そぉっと見上げると彼は俺を反転させて真正面から見下ろしてくる
俺に見下ろされるヒョン達ってこういう気分なんだな(誰とは言わない)なんて思いながらも背後に体重をかけるようなその体制にはたと怪我のことを思い出して慌てて抜けようとするとするりと頬を擦り寄せてきた
その感触にかっと顔が熱くなる、でも直に感じる熱にそろそろと体の力を抜くとぎゅうと抱きしめてくれた


『…どうして怒ってたの、？』
Yt「あ…その」
『おれは、ユウトよりユウタがいいなんて、言った覚えないけど』
Yt「それは…ちがくて」
『……ちゃんと、言って』

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