計らずとも手打ち ページ32
ゆっくり話すヒョンをそろりと覗くと、彼の瞳は穏やかに細まって俺が話すのを待っている
子供みたいな真似をした自分を認めたくなくて咽奥に言葉が引っ掛かる、でも凪いだヒョンの瞳にいつの間に解れた口からは自然と言葉が零れていった
Yt「俺、…あんなにすぐ仲良くなれなかった」
『……』
Yt「…俺だって最初に会った時からずっとヒョンに会いたかった、でも中々叶わなくて…再会してからだって俺のこと、う、中々信用してくれなかったのに…ユタヒョンにはすぐ気を許したみたいで、狡い」
『…』
Yt「頭だって…最初は撫でてなんかくれなかった」
言いながら情けなくなってきて目線が下を向く
ユウタヒョンに一度何故そんなに会いたいのか訊ねた時、彼は待ってましたとばかりに目を輝かせながら話してくれた
曰く彼のメンバーが1人、TV局でAヒョンに助けられたことがあるのだとか
その子を送り届けたヒョンは名前も言わずにさっさと消えたせいで誰かわからなかったけれど、ことある事に嬉しそうにその話をするその子を可愛がっていたユタヒョンは少し嫉妬していたらしい
ある日テレビに出ていたヒョンにその子が気が付いて、彼は嫉妬半分興味半分で調べたAヒョンにまんまと嵌まりこんだ
同じ日本人ということもあったけど何よりあの瞳に惚れて仲良くなりたいと思ったと照れながらも楽しそうに話すヒョンは、いつかの自分と重なって見えた
瞳に囚われ彼に会いたくてたまらなかった、いつかの俺と
要するに、俺は状況は違えどかつての自分とユウタヒョンを重ね合わせて…少しずつ間合いを詰めるしかなかった俺に比べて一瞬にして距離を詰めた彼が羨ましくて嫉妬してたらしい
話す毎に自覚する自分の幼さに恥ずかしくて涙が出そうだ
ぽつぽつと話す俺の頭をヒョンは撫でながら聞いていた
話終わっても顔をあげられない、頭上から1つ溜め息が降ってきてひくりと咽が鳴るのが判った
『…変なの』
Yt「え?」
『…ユウト、お前がしたんだよ?』
Yt「…は?」
心底不思議そうな顔をするAヒョン思わず頭が真っ白になる
『突き放しても、側でずっとおれの瞳を見てたのはユウトが初めて』
Yt「、え」
『友達が居なかったわけじゃないけど…結局おれとっての他人は他人でしかなくてそれ以上なんて無かった。おれと、それ以外、それで完結してた。
外見に満足する奴は遠くから見てるか手に入れようとするだけ…おれをまっすぐ見つめる奴なんていなかったんだよ』
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狗轤 - PENTAGONのマンネlineは3人とも1998年生まれで、SEVENTEENのマンネ ディノは1999年生まれですので、ユウトの内心セリフの部分が違ってきます。 (2019年2月25日 1時) (レス) id: a41dfea2ab (このIDを非表示/違反報告)
奏(プロフ) - Stella さん» わぁ、嬉しいだなんてありがとうございます〜(´・ω・`)マイペースに頑張って参ります!また第4夜にもお暇なとき来てくださいね。 (2017年9月7日 23時) (レス) id: e0b9597db3 (このIDを非表示/違反報告)
Stella - 久しぶりに更新されてる、めっちゃ嬉しい (2017年9月7日 17時) (レス) id: c72cfa5152 (このIDを非表示/違反報告)
奏(プロフ) - yumiさん» そう言っていただけるのは嬉しいです( 〃▽〃)そうなんですよ〜終わりまで書くこと決まってるのに携帯の文字数で中々収められず…魅力的なんて!性格がちょっとずつ違うんですが書いてると混ざっちゃうんですよね…笑取り敢えず暫くはホンソガとラブって貰います! (2017年8月15日 19時) (レス) id: e0b9597db3 (このIDを非表示/違反報告)
yumi(プロフ) - 出会い編も良いところで、お預け感が。。どちらの作品主人公がチンチャ魅力的ですよねー。でも ペンタも更新して欲しい!!です。ワガママ言ってごめんなさい。 (2017年8月15日 16時) (レス) id: 0c5e07b0c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:奏 | 作成日時:2017年7月14日 12時