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4皿 ページ4

流石に中学生くらいからはえりなも仕事は1人で行くようになった。

その代わりとして、こんな感じに数日離れる場合には、その前後はぴったりと私に付いている。
可愛いからもう何でもいんだけど。


実は、大企業とは言え食がメインだとは言い切れない私が遠月に居られるのは一概にえりなのわがままのおかげなところもあったりする。

まぁそうは言っても、何年もえりなと一緒にいるくらいなんだからその辺の人たちに負けるつもりは全く無いけどね。


.

「A、できたわよ。」

『お、やった。じゃあ運ぶの手伝うわ。』


皿に乗っている料理はまさに完成された超一品。
丁寧に盛り付けられ、香ばしい香りを漂わせている。



「『いただきます。』」


2人で揃って手を合わせてから食べ始める。

一口食べただけでわかるえりなの味。
いつもの学校で出されるものより優しい、私のためだけに作られた料理。


『ん〜っ、美味しいッ!』

「そう…、まぁ私の料理が美味しいのなんて当たり前のことよ」


毎度のことながら、私の家で作られたえりなの料理はどこの誰の料理より美味しい。
自然と笑顔になるような、幸せな気持ちになるような。

そんな私の表情を見て、えりなも安心したように笑顔になる。
口では当たり前だなんて言っているが、表情に出ているのでわかりやすい。

学校でのような自分の料理に自信満々なえりなとはすごい違いである。



「A、」

『ん?』

「早く、帰ってきてよね…。」


ぽつりと溢れたような小さな声で、発せられたその言葉に思わずにやけてしまった私。


『もう、しょうがないなぁ。始業式までには帰ってくるよ。』

「もうッ、それは当たり前でしょう!?」

『はいはい。』


照れたように大きな声で誤魔化すえりなが面白くて、ついついからかってしまう。


その日はそのまま私の家でお泊まり会をして、朝、私が出発する時間に合わせてえりなを家まで返し、私は親がいる本社へと向かった。

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水愛(プロフ) - R!Nさん» コメントありがとうございます!これからも頑張っていくので、よろしくお願いします! (2019年10月22日 7時) (レス) id: b9ec477e49 (このIDを非表示/違反報告)
R!N(プロフ) - とても面白いです!頑張ってください! (2019年10月21日 23時) (レス) id: 5067a2983b (このIDを非表示/違反報告)
水愛(プロフ) - チョコ味噌スープさん» ありがとうございます!コメントもらえてすごく嬉しいです。これからも頑張っていくので、よろしくお願いします! (2019年10月19日 23時) (レス) id: b9ec477e49 (このIDを非表示/違反報告)
チョコ味噌スープ - 初感想頂きました!!頑張ってください!応援してまぁす! (2019年10月19日 22時) (レス) id: 956f84dad7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:水愛 | 作成日時:2019年8月13日 16時

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