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21皿 ページ21

『あ、四宮さん!』

「Aか、どうした?」

『いえ、少し挨拶をと思って、』


学校へと帰るバスに乗り込む前に、四宮さんを見かけたので挨拶をしようと声をかけた。

周りには瀬名さんや他の卒業生の方もいて、少しアウェイ感があったが、日向子さんを筆頭にグイグイと話しかけてくれたので直ぐに馴染むことができた。

何人か、卒業後は是非うちに、と言ってくれた方もいたが、私自身どうなるかわからないので、曖昧に笑って誤魔化してしまった。



『四宮さん、先日は兄がお世話になりました。もうフランスに戻られるんですよね。』

「あぁ、…あいつならまた来てもいい。そう伝えてやってくれ。」

『本当ですか!兄も喜びます、今後ともよろしくお願いしますね。』


こちらこそよろしくな、という四宮さんにしては珍しく素直な言葉の裏には神楽坂の宣伝能力を指していることは容易にわかった。

思わず苦笑いになってしまったが、それはこちらとしてもwin-winの関係なので、そういうことは口に出さないに限る。


その後、神楽坂としてではなく私個人として、恵ちゃんとの食戟のことで少しからかって四宮さんがキレる、といういつもの一連の流れをする。

四宮さんは周りが言うほどお堅い人ではないので、こういうのは本当に楽しい。

つまり、今回も大満足です、はい。日向子さんとすごく仲良くなれました。


最後に、卒業生たちに色々声をかけられたが、今度は、そろそろバスが出発する時間なので、と言ってさらりと躱してバスへと向かう。

わりと時間ギリギリなので、大丈夫かな、と不安になりながら走っているとこっちへ走ってくるえりなとすれ違う。


『え!えりな何してんの?』

「Aこそ!私はちょっと忘れ物を取りに…」

『え、大丈夫?もうバス出るよね、待ってようか?』

「…あなた、バスが嫌なだけでしょう。」

『…何のことかな?早く行ってきた方がいいんじゃない?』


えりながわかりやすくため息をつく。私、バス嫌いなんだよね。酔いやすいから。


今から取りに戻れば、もうバスの出発には間に合わないだろう。そうすれば、必然的にえりな専用に車が用意されるはず。

これをえりなの言葉を聞いた瞬間に理解する私。すごい。


忘れ物を取りに行くというえりなのスーツケースを預かって、走って取りに戻るえりなを見送った。


えりなが自分で取りに戻るほど大事な忘れ物か。

なんとなく察しがついて、かわいいなぁ、と頰が緩んでしまった。

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水愛(プロフ) - R!Nさん» コメントありがとうございます!これからも頑張っていくので、よろしくお願いします! (2019年10月22日 7時) (レス) id: b9ec477e49 (このIDを非表示/違反報告)
R!N(プロフ) - とても面白いです!頑張ってください! (2019年10月21日 23時) (レス) id: 5067a2983b (このIDを非表示/違反報告)
水愛(プロフ) - チョコ味噌スープさん» ありがとうございます!コメントもらえてすごく嬉しいです。これからも頑張っていくので、よろしくお願いします! (2019年10月19日 23時) (レス) id: b9ec477e49 (このIDを非表示/違反報告)
チョコ味噌スープ - 初感想頂きました!!頑張ってください!応援してまぁす! (2019年10月19日 22時) (レス) id: 956f84dad7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:水愛 | 作成日時:2019年8月13日 16時

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