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「…あ、ああ、わかった」

「本当だよ?言っちゃダメだよ!?言ったらどうなっても知らないからね!?」

「わかったわかった…落ち着けって」

「ん、よーし!」


物分り良くて助かったよー。むふー。

少し怯えてるクルルを見て、我に帰った。
ごめんねクルル…謝るから…睦実兄とコソコソ話しはやめて…?


「おいおい…………こいつ………お前さんの……?」

「………そうだよ………だから………………あと……」


ちょっと聞こえてるから…傷つくよ…?

…ふと、思い出した。


「待って待って待ってクルル!今何時!?6時過ぎた!?」

「ああ、もうとっくに過ぎてるぜ」

「どうしようどうしようどうしよう…変装とかしてたら学校に間に合わないよ…」

「別にいいんじゃない?サボっても」

「週に1度しか休まないって決めてるから、休まない!だって、もう休んじゃったし」


よし…頑張ろう!
と、意気込んだところで…クルルが私のパソコンの画面を覗いた。
なんにも面白いもの無いよ?大丈夫?

そして、なんか笑い始めた。


「クーックックック…ファイル内容的に、個人情報を抜き取るウイルスだな。俺が、やっておいてやるよ」

「えっ…いいの!?」

「…気まぐれだよ」

「良かったね、A」

「うん!じゃあ、変装してくる!」


睦実兄の返事を待たずに、変装に取りかかった。

眼鏡着けて、髪を1つに結んで…口角をちょこっと上げて、お淑やかに…
目は少しタレ目気味に…いつもみたいなツリ目よりは、たれていて…
制服も着て、いつもの薬も持って…っと…

実は、他の人よりもほんのちょっとだけ病弱なんだよね…
ほんのちょっとだけだけど…
例えば、風邪は流行りに真っ先に乗るタイプだったり、乗り物に乗ったら乗り物酔いするし、クーラーの効きすぎでお腹を壊したり…
プールなんて、怖くて入れないよ…あう…
持久走なんて論外だよ…冬にあんなに走ったら…あう…

あ、そうだ、あとは…カバー着きのパソコンと、連絡用のケータイ!
うん!完了!…じゃなくて、完了しました…?

私は、玄関に向かった。
朝ごはん?そんなの、おにぎり1個で十分じゃない?

睦実兄は、こっちを影から見ながら


「行ってらっしゃい」


と言った。

よし、学校の私、神田(かんだ)優華(ゆうか)を演じますよ〜!


「ー行ってきます」


私は、暴れのたうち回る脳内のまま、家を後にした。
…これ、マンションかアパートか、未だにわかんないや。
なんなんだろう?

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作者名:ライラ x他1人 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2019年10月29日 23時

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