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慌てて屋根から飛び降り、上を見上げれば、沖田が振った刀で両断され、瓦礫となった瓦が雪崩のように落ちてくる。
未だ屋根の上で、殺気立つ瞳で私を見つめる沖田。その紅蓮に、焼き尽くされて。





「……ちょ、女の子にいきなりなんちゅーもん振り回してんだよ」


そう。ここは江戸だ。廃刀令のご時世であれど、警察である真選組は未だ刀を腰に引っさげている。
………今のは。今のは、本気だった。
私を、殺す気だった。




「なんでテメェ、今のが避けれて……」


より警戒を深め、私にもう一太刀を浴びせようとするその人。
振り上げた刀が銀色に輝いた。






ザン。
周りの空気さえ、その圧に押される。




あまりに重い一太刀。


「……っ!?」



ぎりぎりのところで、私は鞄から扇子を取り出し、その一太刀を防いだ。

……っつーかこの扇子何者だよ。刀でも切れねェのかよ。




「…ッ!?」
「……やっぱりお前は強いね、」



そーちゃん。









ふわりと微笑めば、力が抜けるようにその男は刀を下ろした。


泣きそうに揺れる椛の瞳。





その瞳が覗くは、小さな。






酷く綺麗な、知らない女の人の笑顔。









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ティアー(プロフ) - *天 神*さん» 閲覧ありがとうございます!更新スピードは遅いですが頑張りますのでどうぞよろしくお願いします! (2018年9月2日 20時) (レス) id: baa942cd57 (このIDを非表示/違反報告)
*天 神*(プロフ) - 初コメ失礼します。面白いです!文才がすごすぎです。更新楽しみにしてます、頑張ってください。 (2018年9月1日 0時) (レス) id: 537ce569f0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ティアー | 作成日時:2018年8月29日 12時

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