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ようやくテスト終わりました……!!今日から自由です……!!あと今日はちょっと早めの投稿です!
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芥川「あれ程刺し貫いても、まだ無傷に、戻るか」
肩を押さえながら芥川は荒い息をついた
芥川「これが、ポートマフィアの、白い死神……」
芥川の肩の傷は異能布で応急処置をしてある。それでも流れた血が戻る訳でもないし、傷が完治する訳でもない。芥川は異能が強力であり、身体は一般人にすぎない。超再生を持った敦とこのまま戦えばやがて死んでしまう
──────────強い
敦の強さには背骨がある。強靭な異能、そして四年半の間鍛えられた経験を積み続けた経歴、そして戦う動機がある。それは呪いのような過去からの呼び声。後悔という強心剤
それが自分にはあるか?
妹を救いたい。そのはずだった。その誓いは正しく、強く、どのような堅牢な砦も誓いの意思だけで貫き壊せるはずだった
芥川「虎よ、貴様は敵だ。僕は貴様を殺したい」
芥川は普段なら絶対に見せない苦痛の表情を浮かべていた
芥川「だが、目の前の敵を刻み捨てるしか思い至らぬこの本性が、妹の云う"悪"なのだとしたら────────僕はどうすればいい?己自身をどうすればいい?」
──────────己という獣を追うな
織田先輩はそう云った
彼には判っていた。己の中に巨大な獣が住んでいること。四年半前のあの日、"心なき狗"が初めての感情を持った時に生まれた、邪悪な獣がいることを。それが妹を見捨てさせ、己を死地に誘い、すべてを崩壊させた
だから、"黒衣の男"は自分を誘わなかった
芥川は吠え、前方に駆け出した
それに応えるように敦が壁面を蹴る
二人が中央で激突した
芥川「羅生門────────銀狼咬!」
肘から先が巨大な獣の頭になり、振り抜く拳と共に放たれた。敦が両腕を掲げて防御するが、その両腕に獣は食いついた
敦「ぐあっ」
苦痛の声を敦がもらす
戦い続ければ失血死する芥川にとって、勝てる見込みはただひとつ。相手の得意な近距離に敢えて飛び込み、異能の全力を尽くし注ぎ込んで短期決戦に持ち込む。それしか方法は無い
芥川「ぐぬ……!」
敦「ぎいっ……!」
限界を超えた異能使用で止血が緩み、芥川の身体から血が流れ出る。だが、攻撃は緩まらない。牙が増え、敦の両腕を喰い千切ろうとする
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作者名:るーりん | 作成日時:2022年12月29日 0時