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前夜 ページ6

この夜が明けると同時に、マリア領に出発する。
そうさっきエルヴィンから通達があった。

ーコンコンー
貴「どうぞ」

リ「まだ起きてたのか」

貴「…眠れなくて」

リ「そうか…明日の朝出発だ。早く寝ろ」

貴「どうしたの?」

リ「俺達が次の戦いで多くの仲間を失うのは確実だ」

貴「そんな急に話されても…。わかってる」

リ「俺ももしかしたら死ぬかもしれない」

貴「何言ってるの?…私が守るって言ったじゃない、弱気にならないで」

リ「死ぬつもりはない。が、保証はどこにもない。だから今お前に渡したいものがある。」

貴「その箱は?」

小さな箱を渡され、開けてみると、雪の結晶の形をした銀色のイヤリングが入っていた。

貴「きれい…」

リ「似合うと思ってな」

貴「ありがとう(ニコッ)」

すぐにつけてみる。

貴「どう?」

するとリヴァイが強く、私を抱きしめた

リ「…俺はお前を失いたくない。お前の部下も、俺の部下も…仲間を失いたくない」

貴「私だって、誰一人失いたくない」

リ「必ずお前のもとに生きて帰る」

貴「うん…待ってる」

リ「だからA、生きてくれ」

…リヴァイがこんなにおびえてる。体温も低くて、小刻みに震えてる

貴「大丈夫だよ、私は死なない。仲間も死なせない」

リ「…あぁ。頼んだぞ」

ゆっくり離れて部屋を出ていった。

貴「…なんてね、自分も仲間も死なせないなんて、できる訳がないよ…」

机の上に置き手紙を書いて、いそいそと戦いの準備を始めた。
ガスや爆弾、刃など、補充用の物資はすでに運んである。

立体機動装置をつけて、カツンとヒールを鳴らす。
マントを羽織り、深呼吸。

相手は一気に畳み掛けることはない。きっと何度かにわけて少しずつ勢力をあげてくる。

貴「少しでも犠牲を減らすために、私ができるところまで足止めしてみせる。」

ー静かに窓を開けて、雪の降る外へ飛び出したー、

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作者名:さき | 作成日時:2019年7月24日 11時

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