番外編 ページ34
『花魁時代のA』
客「はぁー、楽しかった!じゃあまた!」
遠くなる客の背中を見送って、自室に戻った。
貴「チッ…ほんと気持ち悪い。太もも撫でまわしやがって…○ねばいいのに。」
ー次の日ー
客「花魁、花札で勝負しないか」
貴「喜んで勝負いたしんしょう。(わざと負けてやるか…)」
手札が配られ、負けるか勝つかの微妙なやり取りをしていた。
客「…もしこの勝負私が勝てば、今夜こそその帯解いてもらおう。」
貴「…」
そうなれば話は別だ。容赦はしない
客「おっと、かすで10枚揃った」
貴「どういたしんすか?」
客「これで終わっては面白くない。こいこいだ」
…しばらくして
客「よし!この調子だと私が勝つぞ!花魁」
貴「…さて、それはどうでしょうか」
残り3枚の手札から1枚引いて、勢い良く札を取った。
貴「…猪鹿蝶で5文。わっちの勝ちでありんす」
客「…いやぁ、さすがだ、花魁。」
そう言いながら、私に近づいてくる客。そして思いっきり掴まれて押し倒された。
客「あまり客をなめるなよ、所詮女だ。男を見下すなど許されない」
はぁ…とため息をついて、私の上に乗る男を思いっきり投げ飛ばした。
襖にバンッとぶつかったようだ。
客「ってぇー…何すんだ…よ…」
客の顎に扇子をぴたりとくっつけて、少し上を向かせる。
貴「…所詮女?そんなことを言って女を大切にできぬ者は、この遊郭で女と遊ぶ権利などありんせん!…これで、お前さんとの『なじみ』の関係も終わりでありんすなぁ?…つまみ出せ」
すぐに襖が開いて、見張りの男たちに引きずられていった。崩れた着物を直しながら、散らばった花札を眺める。
貴「はぁ…ほんとに気持ち悪い」
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作者名:さき | 作成日時:2019年7月24日 11時