雪の舞姫2

今日:11 hit、昨日:7 hit、合計:14,616 hit

錯覚ページ14

体が重たい。呼吸が乱れて苦しい。

でも、このままじゃ仲間をたくさん失って負ける。

アルミンを押し切って、飛び出した。
壁を降下しているとき、目の前が真っ暗になった。

その中でそっと差し伸べられる小さな二本の手。

上を見上げると、ニコニコ顔の桜と葵がいた。

貴「何？力を貸してくれるの…？」

その手を取ると、眩い光に包まれた。

その瞬間、現実に戻ってきた。目の前には巨人が2体。

身体が軽い。寒くない。呼吸も整った。

素早く後ろに回り込み、2体を一気に片づけた。

目を閉じると、婆さんとの稽古風景が浮かんだ。
体の隅々まで意識を集中させて、ゆったりと無駄のない動きをと、何度も怒られた。

そうだよね、婆さん。無駄があるから体力が減るんだ

確実に仕留められる手の角度、腕の流れ方を頭に浮かべる

巨人の項を切るとき、持っている剣が扇子に見えた。

…錯覚？いや、これは舞だ。私は今、舞っている。

寒い雪の中を舞う、私は花魁、『雪』である