流4 ページ5
「吉継、吉継っ」
吉継が庭を歩いていると、妙に笑顔のAが、何かが入っているらしい風呂敷を抱え近づいてきた。
「…なんだ、それは」
「これねー吉継にお土産! ほら、この前、新しい甘味処が出来ただろ?」
「あぁ…正則辺りが言っていたような記憶がある」
「あれ超美味かった!! やっべぇよ!!わりとマジで!!」と、嬉しそうに騒いでいた正則を思い出して、吉継がそう言うと、Aも思い出したのか、笑い出した。
「あははっ、そうそう。それで気になって食べに行ったら、本当に美味しかったから…」
Aが風呂敷の結び目を解く。
中に入っていた包みを開くと、そこには、豆大福が3つ。
「ほら、吉継にも食べてほしくて、買ってきたんだ」
「そうか…ありがとう」
「どういたしまして。お茶淹れるよー、今食べよ!」
「茶くらい、俺が淹れるが…」
「いいよいいよ、吉継は部屋で待ってて」
「…わかった」
ぱたぱたと急いで動くAとは対照的に、吉継はゆっくりと部屋へ向かう。
…暫く、部屋で待っていると、盆に茶と豆大福を乗せた、Aがやって来た。
「吉継お待たせー! はい、食べよ食べよっ」
「あぁ…」
「吉継、はい、あーんっ」
口元にずいっと出される豆大福。
食べろ、ということだろう。自分で食べられるのだが…と思いながらも、吉継は口元を隠す襟を下げ、それを一口、口に含んだ。何回か咀嚼し、それを嚥下する。
…なるほど、確かに美味い。
「どう?」
「ん、美味い」
「ほんと? 良かったーっ! じゃあ、3つ全部食べられるね!」
「…? 3つとも、俺が食べるのか?」
「勿論」
ニコリと笑うA。
手はまだ豆大福を差し出してきている。
…これは、今、全て食べさせられる流れか。
吉継はとりあえず、流れに身を任せ、目の前のものを一口、また口に含んだ。
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きょうく(プロフ) - 修羅睡蓮さん» コメントありがとうございます! 吉継さん、麗しい…! 頑張ります! (2014年11月6日 0時) (レス) id: ec7a7c8b7c (このIDを非表示/違反報告)
修羅睡蓮 - 本当吉継さん美しい、可愛いですよね!!更新頑張って下さいね! (2014年10月13日 17時) (レス) id: 7864befb51 (このIDを非表示/違反報告)
きょうく(プロフ) - みゆみよさん» みゆみよさん、コメントありがとうございます! 頑張ります! (2014年6月14日 0時) (レス) id: ec7a7c8b7c (このIDを非表示/違反報告)
みゆみよ - 面白いです。頑張ってください。 (2014年6月8日 14時) (レス) id: fcc92f6387 (このIDを非表示/違反報告)
きょうく(プロフ) - まっちゃおこしさん» 殺ってしまいましたかww大谷さん可愛いですよねー! コメントありがとうございました! (2014年5月13日 22時) (レス) id: ec7a7c8b7c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きょうく | 作者ホームページ:http://m9(^Д^)9mプギャー
作成日時:2014年3月27日 2時