救いの手 ページ13
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しかし、ただ学校に入ったからと言って、いろんな声が飛び交う大所帯で、たった一人の声を聞いて導き出すだなんて無理な話だった。そして、すれ違う生徒たちからの目が痛い。当たり前だ。男子校にたった一人、女が混ざっているのだから。
「あー…どうしよう」
そんなに私の存在が気になるのなら、声を掛けてくれればいいのに。そうしたら手伝ってもらえるのにと、Aは思っていた。こんなに男子が多くいるところで、一人選んで手伝ってもらうなんて出来なかった。
Aは膝に手をついて、はぁとため息をついた。すると、
「あのー、何か困ってます?」
「え?」
その声を聞いて、思わず間抜けな声が出てしまった。声の主を確かめるために顔を上げると、左目付近に赤いハートのスートを描いたオレンジ髪の男子と、右目付近に青いスペードのスートを描いた青髪の男子が立っていた。
「こんなところに女性一人で、何してるんですか?」
「あ、実は…」
Aはこの機会を逃すまいと、先程門で教師に話した内容と同じことを彼らに伝えた。彼らは「人魚なんだ…!」と少しだけ驚いたあと、
「なら俺たちが手伝いますよ!なぁエース」
「まあ暇してたし。面白そうだし?」
そうエースと呼ばれた男子は楽しそうに笑った。
「ありがとうございます…!」
Aたちはまず自己紹介をした。ハートの男子はエース、スペードの男子はデュースと言うそうだ。Aは自分の名前と魔法薬の効果や期限、王子様の声の特徴を伝えた。が、声の特徴を言葉で伝えることはなかなか難しかった。
「じゃあ、12時までに恩人に出会えたら命に関わることにはならないってことね」
「今は15時すぎか。まだ余裕はありそうだな」
デュースは近くにあった時計を見てそう言った。しかし、王子様のことが全くわかっていない以上、油断は禁物である。
「じゃあ、手分けして探しましょう」
「じゃあオレは一人で探すわ。デュースはAさんに付いてあげろよ」
「おう!またな」
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さーも(プロフ) - 巫香渚さん» バースデーは比較的来てくれるような気もしますけど推しになるとこないですよね笑ギリギリまで頑張ってください!! (2021年7月29日 21時) (レス) id: 3e0f107a18 (このIDを非表示/違反報告)
巫香渚(プロフ) - おじたんが二十連で…!羨ましいです。私も二十連したのですが、来てくれませんでした.8月1日まで粘るつもりです。 (2021年7月29日 18時) (レス) id: 254cdf7334 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:さーも | 作成日時:2021年7月2日 21時