松川一静は幼児化していた〔ハイキュー × 名探偵コナン〕 (ページ9)

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(９)：思い過ぎれば思い出せないページ9

「あれ、何か女の子居るくね？」

「ああ、あの子はマネージャー希望の子」

偶然通りかかった花巻こと花が指差したを見てみると、そこに一人の女生徒が傍観していた。
花の質問に答えた及川が可愛いよね～、と呑気に言いながら、俺とネットを張っていた。
どこか、見覚えのある顔だった。
それがどこでなのか、思い出せない。

「はーい、今日は見学に一人来てるから、ボールを打つ時は慎重にね〜」

及川の言葉にむさ苦しい運動部男子固有の返事を返し、それぞれ練習メニューをこなしていく。
サーブ練習をしても、レシーブ練習をしても、見学者の事が頭から離れない。
本当に誰だっけ。
誰かに似てるんだよ…。
Aさんは違うし、隣のクラスの可愛い山原でも無い、同じクラス…は無いな。
誰だったっけな。
そう考えながらもボールを追っていると、一人の顔が頭に浮かんだ。

＿＿＿＿あ、

「なまえだ」

小風に揺れる茶色い髪、目の端はつり上がっていて、長い睫毛がそれをより強調している。
唇には赤いリップが塗ってあり、その辺り以外はなまえと良く似ていた。
なまえは赤より薄めのピンクを使ってたなぁ、なんて考えていると、前に出過ぎたのか、俺の顔に及川のサーブが直撃する。

ドッ、と鈍い音がして、俺は後ろに倒れたが、背中を強打し、一瞬、息をするのを忘れ、ヒュ、と声が漏れる。
声にならない声を上げ、背中と顔の痛みに耐えていると、すぐに部員が駆け寄り、俺の鼻血を止血する。
涙で目が見えず、確かでは無いが、及川はテキパキと指示を出し、俺に謝罪の言葉を述べながら話しかける。

「痛ぇな、お前」

後でハーゲンダッツな、と言うと、俺はハハッと笑った。
痛ぇ。