ねぇ、ダーリン！【りぶ】 (ページ17)

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好き　１４ページ17

「色々あったよね・・・そこからも」

コーヒーを飲み終えていたりぶくんが、マグカップを弄りながら言った。

「だねぇ。一番大変だったのは、リスナーさんへの発表だったね」

「・・・うん」

大変だった。とため息と共に呟く彼の声を聞いて、私もため息が出た。

これは、詳しくは語らないが、まぁ、ざっくりと説明しておこう。

発表は、りぶくんのコミュニティからの生放送。

【二人からの重大発表！】

そんな題名で始めた。

発表した瞬間のリスナーさんの反応は、

「分かってた」や「あれ、まだ付き合ってなかったんですか？」などの反応もあれば、

「最悪、最低」「二人は不釣合い」とかのコメントも流れた。

二人とも、少しはリスナーさんの数が減ったし、動画も荒れた。

しかし、最終的には皆が「おめでとう」と言ってくれたので、よしとしよう。といった感じだ。

「リスナーさんに支えてもらってこそ、今がある感すごいよね」

ソファにズズッと沈み込みながら言う。

「確かに」

りぶくんも同じことをしてくる。

「真似しないでよー」

と私がりぶくんを小突けば、

「そっちこそ」

と小突き返してくる。

そこで、二人で顔を合わせてクスクス笑う。

ああ、こんな日々がずっとこの先も、続けばいいのに。

二人で、バカなことしたり、中身のない会話をしたりして、ずっと笑い合っていたい。

「俺、今さ」

ふ、と聞こえた一言に、彼の方を向く。

「幸せを感じた」

なんて言ってくるから、

「私も、同じこと思ってた」

と返す。

そこから、無言になる二人。

でも、無言が気まずくなくて。

居心地の良ささえ、感じてしまうくらいだった。

昔、おばあちゃんに聞いたことがある。

『きっと、無言でも気まずくない関係っていうのが、一番良いのさ』

小さい頃は、よく分からなかったが、今は分かる。

そういえば、実家帰ってないな。

「今週末くらいに帰ろうかな」

ボソッと呟いた言葉にりぶくんが、過剰反応。

「え！帰る！？」

「あ、いや。最近帰ってないと思って、ね？」

ホッとしたようにため息をついた姿を見て、ああ、と思う。

きっと、りぶくんに呆れて帰ろうと思ったとか、そんな風に思われたんだろう。

「りぶくん」

「何？」

「今も、これから先も、ずっとずっと、私はりぶくん一筋だよ」

一瞬、キョトンとした顔をしたが、

「俺も。A一筋」

と返してくれた。

りぶくん。私ね、

やっぱり、りぶくんしか居ないと思うんだ。