犬と猫 ページ47
96猫side
私には、好きな人が居ます。
「ばぁか、96のばーか!」
「なんだとぉ!?」
でも、いっつも何故か素直になれなくて・・・。
同じ極同士の磁石のように反発し合ってしまう。
「もー、分かった!ゲームで決着だ!!」
「望むところだ!」
「部活終わったら、俺の家に来い!」
「おうよ!」
なんて会話をする。
ふぅ、と息を吐いて音楽室の中を見渡すと、何事もなかったかのように皆過ごしている。
あたりまえの事のように行われた、犬と猫のケンカだ。
「まふくん、これ見てー。このぬこ可愛いよね!」
「どれですか・・・。ああ、可愛い!」
窓の近くに幸せオーラを出しまくりの二人が居る。
私が、素直になればあんな風になっていたのかもしれない。
でも、もうどうする事もできないや。
小さく、乾いた笑みをこぼし、私はマイクを握った。
「ふぅ・・・」
歌い切った私は、ため息をついた。
全力で歌い切る。
ドヤ顔でコゲの方を見る。
すると、何故か悔しそうにこっちを見る。
ああ、さっき店長が私を褒めてくれたからか。
「ふふふ、コゲよ・・・。店長は、お前のものではなぁい。私や他のペットたちにもやさすぃ、心がお広い方なのだ」
そこまでをゲスくコゲに言う。
クルリと振り返って、店長の方を向く。
「てんちょぉー。あそこに居るー、焦げた犬。店長のブルマ、喜んで穿くって言ってましたぁ」
可愛い系の声を出して、ぶりっ子ぽく店長に言う。
自分で言っていてなんだが、吐き気がするぜ☆←
「え、本当!?」
「いいい、いや!言ってない!96がデタラメを言ってるんだ!」
「は、穿いてくれないの・・・?」
私のぶりっ子より、数百倍可愛い店長ボイスでコゲが承知してしまう。
「やった!ありがとう!じゃあ、さっそくトイレで着替えてきてー♪」
「え、店長!?なんか切り替え早くない!?」
そんな事を言いながら、店長に連れて行かれるコゲを元気よく見送る。
さよなら、コゲ。お前の事は、一生忘れない。
「ほんっと、仲いいねー。三人とも」
(人1)先輩の声で、ハッと思い出す。
「でも・・・」
ゆっくりと振り返ると怖い顔をしている、先輩。
「恋としては、なんの進歩もしてないね」
「あ、はは・・・」
急に変えろと言われて、変えれるような器用な人間じゃないんです・・・。
先輩が、怖い顔をしてるのにはわけがあった。
それは、昨日の午後まで遡る―――
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ちょこ2(パソコン変わりました≪元ID 5ad0b4ef6a≫)) - とてもよかったです!その後話が欲しい! (6月21日 19時) (レス) @page50 id: c7ac99c812 (このIDを非表示/違反報告)
月の人(プロフ) - 風霧志乃さん» コメントありがとうございます!話の軸がしっかりしてるなんて・・・うふっ(殴 応援ありがとうございます!更新、頑張りますね!(キリッ) (2015年9月5日 22時) (レス) id: db3d4350bf (このIDを非表示/違反報告)
風霧志乃(プロフ) - 初めまして!私、この小説大好きですっ!!話の軸がしっかりしていて、よかったですし、話の内容も面白かったです。これからも応援してます。頑張って下さいね〜!! (2015年9月5日 13時) (レス) id: f2bf20d045 (このIDを非表示/違反報告)
月の人(プロフ) - 瑞稀@アニメLOVEさん» コメントありがとうございます!歌詞先輩のところは、私も少しうるうるしながら書きました←噂を流した人物にもう、お気づきなんですね!頑張って隠したつもりでしたけど・・・。全て、お見通しってことですか。くっ・・・!← 更新、頑張ります!! (2015年8月21日 18時) (レス) id: db3d4350bf (このIDを非表示/違反報告)
瑞稀@アニメLOVE(プロフ) - 続編おめでとうございます!!このストーリーとても好きです!歌詞先輩のところの話で泣きました←噂流したのは○○ちゃんかなって思ってます…!楽しみにしてます!更新頑張ってください!! (2015年8月20日 21時) (レス) id: f15516dc05 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:月の人 | 作成日時:2015年8月9日 19時