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「ば、バイトしてるんですか・・・？」
注文して、今来たばかりの温かいココアの方を見ながら、そう聞いた。
「あー、うん。驚いた？」
いつものようにニコニコと笑う彼を見て、少し心が痛む。
「すみませーん」
「あ、はーい。じゃあ、またね。松下さん」
スタスタと歩き、私の居る席からどんどんと離れていく歌詞先輩。
「・・・はぁー」
居心地悪い。
私は、来たばかりのココアを熱さに耐えながら飲み干すと、レジへ行く。
「あれ、もう帰るの？」
後ろから、先輩の声が。
あら、見つかりましたか。
思わず、苦笑いをして対応する。
「あー、用事思い出して・・・」
「そっか。また来てね」
「は、はい」
少しぎこちない返しだったが、まあ大丈夫だろう。
レジで会計を済まし、外に出る。
「うわ、雨降ってんじゃん」
外は、雨が降っていた。
それも大雨というだ。
「傘持ってないし・・・最悪」
今日の放課後二回目となる言葉を呟く。
確か、天気予報のお姉さんは“雨は降らない”とか言ってなかったっけ。
寒さと言い、この雨と言い・・・外ればっか。
もう、あの番組見ない。
はぁ、とため息をつく。
「さて、どうしようか」
カフェには、もう戻りたくない。
なら、濡れてでも走って帰るか。
携帯が鳴り、見ると(人１)からで。
内容は、『松ちゃん、傘持ってなかったけど・・・大丈夫？濡れてない？』だった。
『大丈夫、もう家に居るよー』という嘘ばかりの返事をして、走り出した。
「なんで、こんなに、運が悪いかなっ？」
私が悪いことしたとでも言うのだろうか。
歌詞先輩のさっきの対応を見て、心の古傷がまたズキズキと痛みだす。
私は、主人公じゃない。わき役だ。
分かってはいるんだ。でも、それを感じた瞬間、苦しくなる。
私は、逃げていなくても・・・嫌な目に合うのだろうか。
どの道を行っても、どれも不正解な気がする。
顔に、体に、冷たい雨がたくさん当たる。
「・・・っ」
口に雨ではない、しょっぱい味がした。
ポロッと何かが落ちた気がして、振り返る。
私の数歩後ろにろんちゃんと、(人１)と私でお揃いで買ったキーホルダーが落ちていた。
「あっ・・・」
拾おうと、そこに歩いて向かう。
そういえば、あれをスクールバックに付けてるのは私だけだ。
二人は、何に付けているのだろうか。
いや、もしかしたら付けていないのかも知れない。
そう考えると、また胸が痛んだ。
ああ、私だけなの・・・？
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ちょこ２（パソコン変わりました≪元ID ５ad0b4ef6a≫）） - とてもよかったです！その後話が欲しい！ (6月21日 19時) (
レス) @page50 id: c7ac99c812 (このIDを非表示/違反報告)
月の人(プロフ) - 風霧志乃さん» コメントありがとうございます！話の軸がしっかりしてるなんて・・・うふっ(殴 応援ありがとうございます！更新、頑張りますね！(ｷﾘｯ) (2015年9月5日 22時) (レス) id: db3d4350bf (このIDを非表示/違反報告)
風霧志乃(プロフ) - 初めまして！私、この小説大好きですっ！！話の軸がしっかりしていて、よかったですし、話の内容も面白かったです。これからも応援してます。頑張って下さいね〜！！ (2015年9月5日 13時) (レス) id: f2bf20d045 (このIDを非表示/違反報告)
月の人(プロフ) - 瑞稀@アニメLOVEさん» コメントありがとうございます！歌詞先輩のところは、私も少しうるうるしながら書きました←噂を流した人物にもう、お気づきなんですね！頑張って隠したつもりでしたけど・・・。全て、お見通しってことですか。くっ・・・！← 更新、頑張ります！！ (2015年8月21日 18時) (レス) id: db3d4350bf (このIDを非表示/違反報告)
瑞稀@アニメLOVE(プロフ) - 続編おめでとうございます！！このストーリーとても好きです！歌詞先輩のところの話で泣きました←噂流したのは○○ちゃんかなって思ってます…！楽しみにしてます！更新頑張ってください！！ (2015年8月20日 21時) (レス) id: f15516dc05 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：月の人 | 作成日時：2015年8月9日 19時
