【あんスタ】You're all I see.【瀬名泉】 (ページ17)

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午前9時、待ち合わせ時刻から30分程早い時間。

言うほど遅くないしなんなら早すぎるはずなのに。

「え、待って無理無理無理」

そこに2人は居た。まるで待ち合わせ時刻が9時かのように。

涙ながらあんずちゃんに訴えればあんずちゃんもぽかんとした顔をする。

「はて、なんで早く来た私達より先に居るんでしょう…？」

「無理、ほんとに。かっこよすぎるって…」

顔はきっと真っ赤だろう。嬉しい、ただ単純に嬉しすぎるのだ。

きっと今日完璧な私の理想のデートをすれば満足するだろう

だとか面倒事に付き合うのは最後だからねだとかそういう理由なのだろう。

いや、きっとそう。じゃないと有り得ないし

そんな薄っぺらいものだとしても。

何気なしにした行動だとしても好きな人が私とのデートで30分以上も待っていてくれている事が嬉しいのだ。

「うぅ……あんずちゃん…やばい今なら天に召されてもいい…」

「この後遊園地行くんでしょう、ダメですよ先輩！」

そんな会話をグダグダしながらも2人の場所に少しずつ近寄る。

待って無理何回見ても私服かっこいい、…写真撮ってコレクション増やしたいけど今日は我慢我慢。

「ちょっとぉ？見えてるから早く来てくんない？」

「あはは、瀬名くん辛辣〜」

「あぁ、本当にありがとうございます神様……ありがとう…」

胸がぎゅぅってなる、こんなにも涙脆かっただろうかと言うくらい涙がほろほろでる。

はぁ……かっこよすぎる、イケメンじゃん。