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「…死んだよ。」
安堵の涙が出る。胸にいっぱいに。
「そうですか…
よかった。」
でも細く尖った悲しみが私の心を突き刺す。
「私がっ…兄を最後で最大の鬼に…」
眉間に皺を寄せ短くなった煙草を深く吸い込んで灰皿に押し消した。
「私が彼を殺して、私が彼をただの暴れ狂う鬼にしたっ…。」
いつの間にか真っ黒になった目の前に、濃くなった煙草の匂い。
私の涙が副長さんの胸元を濡らしていく。
不器用で慣れてない手つきで私の背中をさすってくれる手はとても暖かく。
本当に兄のように感じる。
土「悪いのはてめえでもお前の兄貴でもねえ。この国守ってやれなかった俺たちだ。」
切ない声が尖った針に触れて痛む。
胸の中で首を振る。
土「鬼はその時使えていた星から寝返って江戸を守った。恥ずかしながら、俺らは鬼に助けてもらったんだ。
だから…あの鬼が守ってたもん、そのまま俺らが守りきるさ。」
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作者名:wako | 作成日時:2019年3月12日 4時