五 ページ5
Aside
「流石に昨日は運が無さ過ぎたよ」
土方君との事故、レ〇プ...
何か私悪い事でもしたっけ。
帰り道をスザズサと歩いていると、土方君が口を開いた。
「寒ィ...」
それもそのはずだ。彼は夏に着る着流しを着ているので、風も入り込む。
腕を擦って摩擦で温めようとしている彼を見て、なんだか可愛らしいなと思えた。
同い年とは思えない程。それは年下でも年上でもどちらでもあった。
*
「ただいま...って誰も居ないのか」
庭に広がっている落ち葉を少し拾って集めた。
すると、ゴソゴソと物音がした。
「泥棒か...?」
土方君は腰に差した木刀に手を掛けた。
恐る恐る物音がする方へ向かうと、ゆっくりと障子を開けた。
「...うわぁぁぁぁぁぁぁひ、土方君!!!!」
「どうした!?」
「ど、泥棒!」
泥棒が何か喋っている。
へ?と声を出すと聞き覚えのある声が聞こえた。
「お前の親友の莉花ちゃんじゃぁぁぁぁぁぁ!!!」
「へぇ!?何でいるの!?」
「お前が言うたんやろーが!!!」
「...そういえば」
________
「旅行行くからさ、留守番頼んでもいい?」
「勿論、任せな!」
________
土方君は「なんだよ莉花かよ...」と頭を抱え、溜息をつき、木刀を収めた。
「ごめんってば」
「お前ってほんますぐ私に迷惑かけるな...」
「この前だって総悟くん誘拐したと間違われたしよー...」
「だから、それは謝ったじゃんか」
「んまぁいいわ、他のみんなは?」
「あー...えとね実は」
土方君の方を見ると、彼はもうとっくに居なかった。どう話したらいいか分からなくて、自分の指を絡めたりして落ち着こうとした。
「言い難いならいい。また話す気になったら教えて欲しいけど」
「ご、ごめんね...。」
私が部屋に戻ろうとすると、莉花が私の肩をギュッと掴んだ。
振り返ると右手を差し出し、ニヤリと笑った。
「土産」
「あー...」
買ってくるの忘れた。
*
「他は?」
「もーないよ...」
莉花の尋問タイムがまた始まった。
座布団に座ると机に身を乗り出して急接近。
私の話を尋問。それは勿論土方君の事だ。
「あっ...」
(土方君とキスをしたんだ...でもあれは事故だし)
「なんや」
「いいえ、何も。」
「こちょこちょするぞ」
「...流石に話さない」
「つまんねーの」
莉花はムスッとして身を乗り出していた机からも離れた。すると障子がガラガラと音を立て空いた。
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作者名:唐辛子の民 | 作成日時:2018年4月8日 19時