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三十一 ページ36

鈍い音を響かせた。

彼の鼻からは血が流れだし、頬には傷ができた。



「...今なんて言った」


ドスの効いた声を出す近藤さんに、彼も怯えず答えた。


「チッ...んだよ」


「今なんて言ったって聞いてるんだ」



私のせいで...私のせいで、近藤さんは怒って土方君は殴られた。
私が原因なのになんで私は何も出来ないんだろう。

本当は止めに行きたいのに、私が彼の前に立っていいのかって。



「...やめて」

そう言っても私の声は通らない。
まだ大きい声で言わないと届かない。

そう分かってるのに、どうしてもこれ以上出せなかった。


「Aちゃんに失礼だろ?食え」


「アンタのせいで俺ァ食えねぇんだ」


「それはすまなかったな...だが目上の人に対しての言葉遣いも教えたはずだ」


「っせーんだよ!」


彼が近藤さんの胸倉をつかんだ瞬間、私は彼の元に走り声を張った。




「やめてよっ...!!」



彼の手を掴み、ゆっくりと胸倉から外した。
だが土方君はまだ近藤さんの事を見ていた。



「ごめんなさい、私のせいなんです。近藤さん」


「Aちゃんのせい?」


「はい、後でゆっくり話すので...朝ごはん食べてしまってください」



「おい、早く離せ」


「あっ、ご、ごめんなさい...」


「...それとな」



彼がまた怒った口調で話し掛ける。
私は怖くて少し怯えながら返事をした。




「.....稽古が終わったら縁側で茶と菓子用意して待っとけ」





照れくさそうに彼が言う。
なんだか懐かしく思えてきて、私は笑がこぼれた。

彼の言葉が何を表しているか分かった。


怒ってなくて良かった...。





「待ってるね」



そう言って私は稽古部屋にむかい、掃除を始めた。

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設定タグ:銀魂 , 土方十四郎 , 真撰組   
作品ジャンル:アニメ
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唐辛子の民(プロフ) - 愛音さん» ありがとうございます! (2018年2月25日 23時) (レス) id: 7066b21a8f (このIDを非表示/違反報告)
愛音(プロフ) - 唐辛子の民さん» まさかそこまで言って頂けるとは…。とても嬉しいです!ありがとうございます。これからも見に来ますね。陰ながら応援してます! (2018年2月25日 22時) (レス) id: 8d78b160ba (このIDを非表示/違反報告)
唐辛子の民(プロフ) - 愛音さん» まっ、まさかっ!?あの愛音様!?いつも見させていただいてます!こんな方に見ていただけるなんて何たる光栄!ありがとうございます!これからもよろしくお願いします! (2018年2月25日 22時) (レス) id: 7066b21a8f (このIDを非表示/違反報告)
唐辛子の民(プロフ) - まかろんさん» いやもう私もなんでこんなに伸びてるのかわかりませんよ。w多分私は神でも天才でも無いです。なんかこんなに褒めていただくと照れますね。w楽しんでいただき何よりです!更新がんばります!よろしくお願いします! (2018年2月25日 17時) (レス) id: 7066b21a8f (このIDを非表示/違反報告)
まかろん(プロフ) - 後れ馳せながら読ませていただきました。あなた様は天才ですか、神ですか、どっちですか。あ、秀才なんですかね。なんでこんな面白い小説書けるんですか、その文才分けてください。神は1人に二物も与えるんですね。楽しみにしてるので更新頑張って下さい! (2018年2月25日 15時) (レス) id: 8aa890658c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:唐辛子の民 | 作成日時:2018年2月24日 5時

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