検索窓
今日:7 hit、昨日:1 hit、合計:36,605 hit

8 ページ8

総悟side





俺だって、アイツにイライラしてるわけじゃねぇ。
俺がイライラするなんて、そんなもん土方しかねェんだ。



人集りの中、黄色い歓声を浴びていたのは

「…っ、総悟…!」

土方だった。

俺はわざとらしくAと繋いだ手を見せるように歩き、アイツの前から去った。

人集りの中に居るだけならまだ良かったんだ。

俺も知らねぇ女と腕組んで歩いてやがった。
多分、周りの女は土方のファンかなんかだろう。

別に、Aに好意を抱いてるわけじゃねェ。
だが失恋するくらいならその前に貰ってやる。


Aを幸せにするか不幸せにするかなんて、全部アイツにかかってるから。

「…クソっ」

そう呟いて、俺はAを追って走った。





____________



Aside





「うー…あの人混みまだ居るの…?」


よく分からない人混みを見ていると、その近くにストラップがあった。
土方さんのために買ったも同然なのに、おそろいのストラップを無くしたら意味が無い。


「見っけた…!」


私はぶつかる人にすみませんと何度も言い、ようやくストラップを手に取った。



「良かった…」


そう言って立ち上がると、人混みの中心に居る人が見えた。



「土方…さん…?」



女性と腕を組んだ土方さんだった。
女の人の相手って、こういう事だったのかな。

私に気が付いた土方さんは目を見開く。

「A…」

辺りはしん、として周りの女性、土方さんと腕を組んだ女性が私を見る。
私は出来るだけ感情を押し殺して目を伏せた。
そして頑張った作り笑いで、

「楽しんで下さいね」

と言った。

私は零れそうな涙を零しまいと頑張って耐える。


「待てっ、Aっ…!」

「土方さん、此処では人が邪魔です…
別の所でゆっくり致しませんか?」


周りはうるさいのに、周りに女性と土方さんと私だけしか居ない用に、女性の声がやけに大きく聞こえた。

胸に針が何本も刺さっていくような気がして、胸元をギュッと握った。

暫く歩いていると、




「…坂田さん」

「よォ…目ェ真っ赤じゃねーか。どうしたよ」

「…自動扉で手を挟んじゃって」

「んだよそれ、土方の野郎見たいな事言いやがって」

「っ…」



土方さんの名前を聞いて、さっきのことも同時に思い出してしまう。
それに気づいたのか、坂田さんはすまねぇ、と謝る。


「大丈夫です…」

「泣いてると反抗期の嬢ちゃんも素直になるこった」

「…ホント、特別ですからね?」

9→←7



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (39 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
87人がお気に入り
設定タグ:銀魂 , 土方十四郎 , 真選組
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

唐辛子の民(プロフ) - な、な、なんと...全て読んでくださるなど天使ですか、神ですか?あ、仏ですか。了解しました。応援ありがとございますゥゥゥゥ!!頑張りやすゥゥゥゥ!!! (2018年8月21日 3時) (レス) id: 7066b21a8f (このIDを非表示/違反報告)
こくろん(プロフ) - 初めて唐辛子の民さんの作品を読みました!もう面白くって作品全て読んじゃいましたw応援してます!頑張ってください! (2018年8月20日 17時) (レス) id: 0640f47a0f (このIDを非表示/違反報告)
唐辛子の民(プロフ) - カラ松ガールさん» 愛してます。ありがとうございます。嫉妬系大好きでございます。リクエストありがとうございます!では、早速作成してきます! (2018年8月16日 23時) (レス) id: 7066b21a8f (このIDを非表示/違反報告)
カラ松ガール - 過激ですかね。。。すいません。 (2018年8月16日 23時) (レス) id: 146ccfef01 (このIDを非表示/違反報告)
カラ松ガール - 土方さんが夢主の部屋に入った時、夢主が床どんされてる状況を見て嫉妬してしまう土方さんがみたいです! (2018年8月16日 23時) (レス) id: 146ccfef01 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:唐辛子の民 | 作成日時:2018年8月12日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。