コンプレックスの原因は兄【真白友也】 (ページ20)

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コンプレックス17 ページ20

友也「それってさ…」
ずっと黙って聞いてくれてた友也くんが話終わると同時に口を開いた
友也「部長が嫌いなんじゃなくて、部長と比べられるのが嫌いなだけじゃないかな？」
そう言われて、ドキッとした。本心を突かれた感じがした
『そうなのかな…』
友也「そうだよ。だって部長との演劇見てた時、Aの表情すごく生き生きしてたし」
『それは、演技が好きなだけ。特にアイツとやる演技は特別』
友也「その時点で部長の事、大好きじゃん」
『そんな事ない！もう行こ』
友也「あぁ、待てよ」
友也くんは席を立った私より早く伝票を持ってレジに持って行った。どうやら私の分も纏めて払ってくれたっぽい
『友也くん、はい』
お店を出たところで自分の食べた食事代を渡す
友也「いいよ、これくらい。気にするなよ」
『話聞いてもらってお昼まで奢ってもらうのなんて申し訳ないよ。そもそも呼び出したのも私だし』
友也「呼び出しに応じたのも話を聞いたのも全部俺がAにしたくてした事だからいいの。俺に出来る事なら何でもAの力になりたいんだ」
『その気持ちだけで充分だよ』
友也「そういう訳にはいかないよ」
そう微笑んだ友也くんの笑顔に治まっていた心臓のドキドキがまた加速しだした
友也「A？急に黙ってどうした？具合でも悪くなった？」
『だ、大丈夫！どこか行きたいところある？今日のお礼に何処にでも付き合うよ！』
友也「じゃあ、今度の休み一日デートしたいな」
予想外の言葉に目を見開いて言葉を失ってしまった
友也「嫌ならいいんだけどさ」
慌てて付け足す友也くん。何か言わないとと思って口を開くが言葉が出てこない。嬉しいはずなのになんでOKの返事が出来ないの？？？
友也「ごめんね、冗談が過ぎた。忘れていいよ。家まで送るよ」
落ち込んだような元気の無いけど優しい声で言う。友也くんの顔は怖くて見れない。結局、一言も話さずに家まで着いてしまった
友也「部長とちゃんと話せよ？じゃあな」
さっきと変わらない暗いトーンでそう告げて友也くんは帰ってしまった。家に入って部屋に閉じ篭もった
渉「Aどちらに出掛けてたのです？」
ドアの向こうでアイツの声がしてドアを開ける
渉「Aがドアを自ら開けてくれるとは珍しいですね☆…何かありました？」
私の顔を見て目線を合わせて聞いてくる。そいつの腕を引っ張って部屋に入れる