108話 ページ11
Aside
スタスタと薔薇の子に近付き、見下ろすようにして口を開く
『その苦しみの原因も、苦しみの消し方も、貴方はやっと、気づけているはずでは？』
リドル【………】
彼は答えない
『帰りますよ』
リドル【来ないでくれ！】
拒絶の言葉が聞こえ、茨が私に絡み付き刺し貫き引き裂こうとしてくる
それにそっと触れてブロットを喰う
茨は、糸の切れた操り人形のようにボトリと落ちた
『何故？』
リドル【だって、こんなに滅茶苦茶にして、殺そうとまでして…！トレイにだって……何度も酷い事して、突き放して…
帰る、資格なんて…】
『資格って？』
リドル【…君だって、僕の事、散々言ってたじゃないか。僕がいても、皆を縛って傷付けるだけだ
だから……君だけで帰ってくれ】
『……それ、本気で言ってます？』
リドル【え？】
『本気で、トレイ先輩が、貴方に愛想を尽かすと？』
キョトンとする薔薇の子
『貴方にとってトレイ先輩は、突き放されて愛想尽かすような人ですか？ずっっと貴方を心配してもだもだしてたのに？随分と薄情なんですね、彼』
リドル【違う！！トレイはずっと僕を支えてくれて、いつも側にいてくれた。薄情な訳があるか！！】
『即答じゃないですか…なら帰りましょ』
リドル【ｯ……でも……！】
『でも、はただの逃げですよ』
でもと続けようとするその言葉を遮る
『皆貴方が戻ってくることを待ってるんだよ』
リドル【……僕を…待ってる……？】
『そう。勘違いしているようだけど、誰も貴方を心の底から嫌ってなんかいない』
本当に嫌いなら、例え恐怖で支配されていたとしても
ここまで従ってくるわけないからね
きっと、どこかで貴方を認めて、納得してる
何だかんだ、ハーツラビュルの寮長に相応しいのはこの人だって
だって、ここ名門校なんだよ？
『何よりトレイ先輩は？彼は一生後悔するんじゃないかな、今までですらあんななんだし
大切な幼馴染みを助けられなかった自分の無力さを、一生嘆くだろうよ』
リドル【そんな事……！トレイがする必要なんて無い！！トレイは何も悪くない！！全部ｯ…！僕がｯ……！！】
『責任感は度が過ぎると自己逃避だよ。貴方を大切に思う二人を蔑ろにすることになる
そうやって己を蔑ろにするのは二人も望んでいないさ』
彼らが大切だと思う君自身を、他でもない君が否定してどうする
それは、ずっと想ってくれてる彼らへの侮辱だ
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 228人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ツイステ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
架藍 - リクいいですか？番外編で、リドル君達にいった時代の夢主ちゃんが現れたらとゆうものをお願いします(^_^) (ごめんなさい説明下手くそで…) (2020年10月27日 18時) (
レス) id: 7e47203457 (このIDを非表示/違反報告)
桜(プロフ) - めっちゃ話が変わるんですけど、次新作出すなら、文豪とアルケミストがいいです。あ、もちろんイケメンチート夢主ちゃんでお願いします！ (2020年10月8日 17時) (レス) id: 0b5d3da0f0 (このIDを非表示/違反報告)
零月 - ありがとうございます！ (2020年10月4日 9時) (レス) id: e13128236a (このIDを非表示/違反報告)
白火 - とても面白いです! 応援してます！ (2020年10月4日 8時) (レス) id: 497ce3a125 (このIDを非表示/違反報告)
零月 - 輪廻さん» ちゃんと可愛いところもありますよー！(多分)← (2020年9月21日 18時) (レス) id: e13128236a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
