突然の報告 ページ8
「Aちゃん!」
土曜日の開店直後の手芸屋に影片くんがやって来た。
息を弾ませたその声を聴くのは何だか久しぶりだ。
そういえば最近メールはしてたけど、直接会えてなかったな…
特売日の午前中だけど、開店直後ということもあってお客さんはピーク時と比べるとまだ少ない方だ。
それに急いでいる様子の影片くんが気になってお客さんの波を掻き分けて入口へ向かった。
「影片くん、いらっしゃい。急いでどうしたの?」
「ん、あんまり時間がなくて…Aちゃん、明日の午後の予定空いてへん?」
「お店手伝おうかなと思ってたけど、それ以外に用事ないから空いてるよ。」
「ほ、ほっか…!じゃあ、これ!」
ホッとした表情をした影片くんが差し出されたものは、一枚の紙。
「明日Valkyrieでライブやるんよ!今までAちゃんにおれらの活動見てもらったことないから、見に来てもらえたらええなって思って!」
手渡されたのはライブのチケットだった。
ライブなんて、文化祭で見るようなものや学院の強制イベントくらいで、チケットが必要なライブとは無縁な私はその細長い紙を物珍しさにまじまじと見てしまう。
しかし明日とは随分急な話だ。
「ライブやるの!?聞いてないよ!」
驚きのあまり、ついつい責めるようなことを言ってしまった。
「ご、ごめんな?練習やら何やらで気が回らんくて…」
そっか、それで最近会えてなかったんだ。
明日予定を入れていなくて良かったと心底思った。
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milena(プロフ) - カムイさん» コメありがとうございます!お褒めの言葉嬉しいです!これからも可愛いみかちゃんの話を思いつきましたらこちらに書くつもりですので是非また読んでくださいね。 (2017年7月1日 23時) (レス) id: ec31ce329b (このIDを非表示/違反報告)
カムイ - メチャ面白かったです!みかちゃん可愛かったです〜♪みかちゃんすごい好きなんですけどもっと好きになりました!こんなに素晴らしいお話を考えられるってすごいと思います! (2017年7月1日 11時) (レス) id: 93936313e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:milena | 作成日時:2017年3月16日 20時