#１５２ ページ22
.
ライブTシャツに着替えてステージに戻ると拍手で迎えられる。
さっきまでいたバンドは居なくなり、ギターに代わりにぽつんピアノが置いてある。
きっとこれでもうファンの子たちは勘付いたんだと思う。
会場はざわついた。
アンコール一曲目は�狷���
絶対この曲を歌うことだけは決めていた。
誰の為に、何の為にこの曲が生まれたのか。
これをデビュー曲にすることを快く受け入れてくれたA。
この曲がなかったらきっと、�犒歿戎佑瞭鶺槝駄薛瓩和減澆靴覆�った。
上を見上げても照明が俺を照らしてるだけ。
でも俺には大空が広がってるように見えた。
伸び伸びと歌えばいい。
ただそれだけ。
ピアノから奏でる音と、俺の歌声が会場全体に響く。
さっき空にかかってた虹が、もしAからのプレゼントだとしたらそれは …
それよりも君は …
キレイだ。
心からそう思った。
歌い終わったと同時にしんと静まり返る会場。
数秒遅れで拍手が響き渡り、マイクを手に取り｢ありがとうございます｣と一言。
一つの言葉でも意味は違うこともある。
言葉で伝えることが大切。
でも俺はそれが照れくさいから歌で伝える。
｢ここで、一つ話したいことがあります｣
一呼吸置いて｢俺の奥さんのこと、みんなは知ってるよね？｣と質問すると拍手で返事が返ってきた。
｢�狷��瓩榔�さんが歌詞を付けてくれました。俺への気持ちを思い出を素直に書いてくれた … ｣
椅子に座り直し、マイクをスタンドに挿し直す。
｢この曲で俺は助けられたし、これを聞いてくれた人も同じ思いの人がいるかも知れない｣
そっと左手の薬指の冷たいものに触る。
｢だから今度は彼女がくれたように、今度は俺が彼女にこれを送ろうと思います｣
�爐修譴呂笋辰僂蠏�でした��
曲名をそう告げる。
大切な人を失った時、そのあと気付くその人の好きなところ。
後悔しても拭えないこの思いを忘れてしまうことはできないけど、それで自分を責めるのも違うと気付いた。
泣きたくなるぐらい大切だったあの時間を取り戻すより、俺は先に進むよ。
だからそこで待ってて。
立ち止まりそうになったら背中押してくれる仲間は沢山いるから、安心して。
また君を迎えにいくから …
そしたらこう伝える。
｢虹より君はキレイだ … ｣
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 489人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
夜天(プロフ) - 玲さん» コメントありがとうございます！こちらこそ、虹きみを読んで頂きありがとうございました！ (2020年1月6日 19時) (
レス) id: e2489fa5d7 (このIDを非表示/違反報告)
夜天(プロフ) - meiさん» コメントありがとうございます！顔面をそんなにして頂いたなんて…ありがとうございます！ (2020年1月6日 19時) (レス) id: e2489fa5d7 (このIDを非表示/違反報告)
玲(プロフ) - 久しぶりに沢山泣きました。こんな感動する小説を書いてくださりありがとうございました (2019年12月14日 4時) (レス) id: cd190f001a (このIDを非表示/違反報告)
mei(プロフ) - 泣きすぎて顔面とんでもないことになってしまいましたw感動しました！ありがとうございました！ (2019年11月25日 15時) (レス) id: fd406e97dc (このIDを非表示/違反報告)
夜天(プロフ) - PEANUTSさん» コメントありがとうございます！その言葉が何よりの励みです！ありがとうございます (2019年5月29日 18時) (レス) id: 11791f34cd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：夜天 | 作成日時：2019年5月19日 22時
