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まだ時間的にもライブが始まってるような時間でもないのに、なんでこんなとこに?
なんの躊躇もなく、ライブハウスへと続く階段を降りていく涼太先輩。
涼「怖い?」
『ちょっとだけ … 』
こんなところ来るの初めてだし、薄暗くて不気味。
涼「じゃあ … はい」
下から差し伸べされた大きな手のひら。
涼「手、握ってよ。そしたらちょっとは怖くなくなるでしょ?」
その差し伸べられた手を、私は迷わず握った。
涼「 … よしよし、いい子」
階段を降りた先には煙草の匂いと煙が充満した小さなライブハウスが。
少し高いところにあるステージに座って煙草を吸いながらスマホをいじってる女の人がいた。
いかにもバンドマンって見た目で、ちょっと話しかけづらい雰囲気 …
涼「リサさーんっ」
そんなのお構いなしに、まるで友達みたいに話しかけてく涼太先輩にハラハラ。
リ「あ?りょーた?」
彼女は顔を上げて涼太先輩の姿を目視すると、そばに置いてあった灰皿に煙草を押し付けてステージから降りた。
え、涼太先輩ってこーゆー人とお知り合いだったりするの?
近付いてくるリサさんという人がちょっとだけ怖くて、先輩の後ろに隠れて手をぎゅっと強く握る。
リ「ひっさしぶりに連絡来たと思ったら、何、彼女見せにきたの?笑」
『彼女じゃ!! … ない、です』
どんどん声が小さくなって最後までちゃんと聞こえてたかな …
涼「残念ながらまだ彼女じゃないんですよ、今猛アタック中」
リ「へぇ … 涼太にコロッと落とされない子も居るんだねぇ」
物珍しそうに私を舐めまわすようにじっくりと見られたと思ったら、今度は私の頭をグシャグシャに撫で回し始める。
な、何なの、この人!?
『や、やめ … っ!』
リ「 … 可愛い」
『は … い?』
リ「こんな可愛い子が龍友のそばにいんのね、なんか安心」
リサさんが口にした数原先輩の名前。
その時の声と表情は、辛そう … というよりは苦しそうで。
数原先輩のお知り合いだというのも意味が分からなくて涼太先輩を見上げた。
涼「 … 龍友くんの元カノのリサさん」
数原先輩の、元カノさん …
大人っぽくて、ミステリアスな雰囲気があるこの人が …
リサさんの左手の薬指には、雰囲気からは似合わない素朴なシルバーリングがはめられていた。
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夜天(プロフ) - 美心さん» 亜嵐くんの誕生日ですか!?羨ましい(泣)移行先でもよろしくお願いします! (2018年11月10日 9時) (レス) id: 11791f34cd (このIDを非表示/違反報告)
美心(プロフ) - 私は8月4日に参戦して来ました!更新頑張ってください! (2018年11月9日 22時) (レス) id: 3a297c68b9 (このIDを非表示/違反報告)
夜天(プロフ) - 佐野玲於の名無しのfanさん» ありがとうございます!まだまだ最後を迎えるのは先なので最後までどうかお付き合いください! (2018年10月16日 7時) (レス) id: 11791f34cd (このIDを非表示/違反報告)
佐野玲於の名無しのfan(プロフ) - オチが気になる〜!!読み終わったとき心臓がキュンキュンします!続き頑張ってください! (2018年10月16日 0時) (レス) id: 24c1463825 (このIDを非表示/違反報告)
夜天(プロフ) - あゆんさん» ありがとうございます!これからもきゅうってさせちゃいます!! (2018年9月30日 6時) (レス) id: 11791f34cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:夜天 | 作成日時:2018年9月10日 23時