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『湧ごめん、私コンビニ寄ってくから先帰って？』
「え？あぶねーから着いてくよ」
『いや、大丈夫、！』
最寄りも3人一緒で、改札を出た先そんな会話を繰り広げる
私と湧は所謂幼馴染みで、家も真隣
カーテンさえ開いていれば私の部屋から湧の部屋が見えるくらいだ
それに対して颯太くんは、私たちの家とは駅の反対側に住んでいて、いつもここでバイバイだった
「俺も水欲しいからAちゃん送ってくよ」
それなら湧もいいでしょ？って、私の頭に置かれた大きな手と、ちょっとだけ歪んだ湧の顔
まぁ、颯太がいるならいいけど、って渋々了承してくれた湧に、いやただの幼馴染みに了承ってなんだよって思わずセルフツッコミ
「じゃあ2人とも、また明後日な」
『うん、また、』
「颯太、Aのことちゃんと送ってけよ？」
「わーかってるって、じゃあね湧！」
2人で見送ったその背中が最初の角を曲がるのをボーッと眺めていれば、突然目の前に現れたのは彼の顔
私より10cm以上も背の高い彼が私の顔を覗き込んだ
「嘘つきAちゃんだ」
『なっ、...嘘つきは颯太くんもじゃん、』
「まぁね〜、でもうちの親がこんな微妙な時期に帰ってくるわけないのにね」
騙される方も騙される方じゃん？って、最低なことを言っているのに、いつものようにヘラりと笑う
「てか、さっき顔赤くなってた！バレちゃうよ？」
最近、少しパーマをかけたという彼は、ふわふわの髪の毛を揺らしながら、バレちゃうよ？なんて
他人事のような一言を放ちながら私の頬を摘んだ
さっき乗った彼の手の温度が、頬にまで降りてきて
知らぬ間にそこを赤く染めていたらしい
『それは颯太くんのせいじゃん、』
「えぇ、俺いつもこんな感じじゃね？」
『そうだけど、...』
この、ちょっぴり人との距離感がおかしい彼は
こうやってきっと、無意識に何人もの女の子を虜にしてきたんだろうなって
今だって、触れられた頬に熱が溜まるのが自分でもよく分かった
「いつになったら慣れんの？(笑)」
『...多分、一生慣れないよ、』
だって、私は......
「......かわいーね、」
私たちと同じ電車に乗っていた人達はもう駅前に誰もいなくて
2人きりのそこ、そっと絡まった手に引かれ
私は今日も、薄っぺらいその背中の後を追って夜に逃げた
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ucst0307(プロフ) - きいさん» 完結おめでとうございます！めちゃくちゃ面白かったです😭何度も読み返します！！ (2021年12月22日 0時) (
レス) id: f62ccc5a63 (このIDを非表示/違反報告)
きい(プロフ) - ucst0307さん» お返事大変遅くなってしまいすいません🙇♂️とても嬉しいお言葉ありがとうございます！最後まで楽しんでいただけていたら嬉しいです(^ ^) (2021年12月19日 16時) (レス) id: 5fec2377c4 (このIDを非表示/違反報告)
ucst0307(プロフ) - コメント失礼します。今一番楽しみにしている作品です！^ ^これからも楽しみに更新待っております♪ (2021年11月15日 0時) (レス) @page39 id: f62ccc5a63 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きい
| 作成日時：2021年9月25日 0時
