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34話 ページ34

弦也「全く困ったものです。携帯に電話しても出ないし、ホテルには昨夜から戻ってないって言うし」


弦也があきれた顔で説明すると、小五郎は「え?昨夜から?」と目を見張った


譜和「まぁ、後は微調整だけなんで、彼が来なくてもそれほど問題ではないんですが……」


と言う譜和に、園子と蘭とAは眉をひそめた


園子「でもそれって、行方不明ってことじゃ……」


『そうなるわね……』


蘭「警察に知らせたんですか?」


弦也は「いえ」と首を横に振った


弦也「またいろいろ訊かれて、時間を取られるのも面倒ですから。とにかく今はコンサートに集中させたいんです」


すると、客席の照明が落とされた

ステージを見ると、演奏台に座った堂本が幾つかのストップ・ノブを引き出し、ステージの袖からバイオリンを持った紫音が現れた

ライトを当てられた紫音に、園子と蘭とAは「あ……」と小さく声を上げた

黒いドレスを着た紫音は、別人のように頬がこけていたのだ


園子「紫音さん、別人みたい……」


蘭「うん……」


『すごいね……』


所定の位置に立った紫音が調弦を始めると、白いドレス姿の怜子も現れ、ステージの中央に立った

スポットライトを浴びた怜子が胸に手を当て、凛とした表情で客席を見上げる

すると、堂本のオルガンで《アヴェ・マリア》の前奏が始まった

パイプオルガンの美しく荘厳な音に続いて、紫音のバイオリンが音を奏でる

その出だしの数小節の音に、園子と蘭とAは再び「あ……」と声をもらした

リハーサルのときとは、まるで音が違う

洗練された美しくまばゆい音色が、紫音の手から紡ぎ出されていた

これが世界最高峰といわれる、ストラディバリウスの音___

その卓越とした音色と、パイプオルガンの荘厳な響きがホールを満たしたかと思うと、やがて怜子の歌が始まった

澄み切った伸びやかな声が一気にホールに響き渡り、コナンたちは目を見張った

何者をも包み込むようなその清らかで透き通った声は、まさに天使の歌声だった

パイプオルガンとストラディバリウスの厳かな音色に乗せられた彼女の歌声は、まるで天上界から降り注いでいるようだ___

すると、怜子の歌声に圧倒されていたAの頭の中で、ふと何かが呼び覚まされた

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ムンムン(プロフ) - 質問いいですか? (2021年1月15日 7時) (レス) id: 7b57897ee4 (このIDを非表示/違反報告)
rin31gakukoko(プロフ) - このシリーズが大好きです!更新頑張ってください!これからも楽しみにしてます (2018年1月29日 9時) (レス) id: 9821ad2672 (このIDを非表示/違反報告)
Sorimachi(プロフ) - アカネさん» 更新頑張ります! (2018年1月21日 19時) (レス) id: cd676a233e (このIDを非表示/違反報告)
アカネ(プロフ) - 赤井さんの想い人シリーズの更新頑張ってください! (2018年1月21日 18時) (レス) id: 717738789b (このIDを非表示/違反報告)
Sorimachi(プロフ) - MAIKAさん» コメントありがとうございます!頑張ります! (2018年1月13日 21時) (レス) id: cd676a233e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:Sorimachi | 作成日時:2018年1月13日 20時

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