30話 ページ30
高木は慌てて手帳を取り、ページをめくった
高木「あ、あった。一年前のコンサートで、演奏曲はベートーヴェンのピアノ四重奏です」
曲名を聞いた小五郎は「!!」と目を見開いたかと思うと、すぐにニヤリと笑って目暮を見た
小五郎「わかりましたよ警部殿。四人を殺害し、河辺さんに重症を負わせ、秋庭さんを襲った犯人とその動機が!」
目暮「ホ、ホントかね、毛利君!」
小五郎は「ええ」と自信たっぷりに答えた
その夜
目暮たちと堂本邸を訪れた小五郎は、暖炉のある広いリビングで父親とくつろいでいる弦也をいきなり指差した
小五郎「その犯人とは堂本弦也さん、あなただ!」
あっけにとられている堂本と弦也を前に、小五郎は不適な笑みをうかべた
小五郎「なぜなら、あなたがベートーヴェンのファン……それも超がつくほどのマニアだからだぁーーっ!!」
まさかの理由に誰もが「ええっ!?」と驚き、二人も「(おいおい)」と心の中で突っ込む
しかし、誰よりも驚いたのは、犯人呼ばわりされた弦也だった
弦也「あんた、いきなり何を……!」
怒りをあらわにする弦也を、小五郎はフっと鼻で笑う
小五郎「四人組を殺害したのは、彼らが酔っ払ってベートーヴェンの曲を演奏したから。これは偉大なる作曲家に対する冒とくに他ならない。河辺さんに重症を負わせたのはあんたが以前、彼女と共演した際、曲の解釈をめぐって激しく対立したから。これは河辺さんのこのエッセイに詳しく書いてあった」
と、小五郎が持っていたエッセイを見せる
小五郎「そして秋庭さんを襲ったのは、彼女にリハーサルのときベートーヴェンの悪口を言ったからだ!」
小五郎の推理を聞いていた二人、怜子の言葉を思い出した
怜子《合唱って、第九じゃないでしょうね。私、あれ嫌いなのよね》
「「(確かに言ったけど/たが……おいおい)」」
そんな理由で襲うわけないだろうと苦笑いをすると、弦也も「ちょっと待ってください!」反撃に出た
弦也「確かにベートーヴェンは好きですし、尊敬もしてます。でも、マニアってほどじゃ……」
小五郎「いいや、間違いない」
小五郎は自身たっぷりな表情を浮かべて弦也を見た
小五郎「ベートーヴェンそっくりの髪型をしているのがその証拠ですよ!」
弦也「ええっ!?」
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ムンムン(プロフ) - 質問いいですか? (2021年1月15日 7時) (レス) id: 7b57897ee4 (このIDを非表示/違反報告)
rin31gakukoko(プロフ) - このシリーズが大好きです!更新頑張ってください!これからも楽しみにしてます (2018年1月29日 9時) (レス) id: 9821ad2672 (このIDを非表示/違反報告)
Sorimachi(プロフ) - アカネさん» 更新頑張ります! (2018年1月21日 19時) (レス) id: cd676a233e (このIDを非表示/違反報告)
アカネ(プロフ) - 赤井さんの想い人シリーズの更新頑張ってください! (2018年1月21日 18時) (レス) id: 717738789b (このIDを非表示/違反報告)
Sorimachi(プロフ) - MAIKAさん» コメントありがとうございます!頑張ります! (2018年1月13日 21時) (レス) id: cd676a233e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Sorimachi | 作成日時:2018年1月13日 20時