１０話 ページ10
服部「オレは京都の寺を探検してて、寺の格子窓に飛びついたときや。格子がポッキリ折れてな、床にしこたま頭打って、気絶してしもたんや……どんくらい眠ってたんかわからへんけど、ふと目ェを覚ましたとき……」
服部は話しながら、八年前のことを思い出した
あのとき、本堂の外から手鞠唄が聞こえてきて格子窓に飛びつくと、着物姿の少女が桜の木の下で鞠をついていたのだ
《まるたけえびすにおしおいけ〜♪よめさんろっかくたこにしき〜♪》
強い風が吹いて一瞬目を閉じたら、その女の子の姿は消えていた
けれど、今でもあの女の子の姿はこの目に焼き付いている
手鞠唄を歌う声も耳に残っている
そして、彼女がいなくなった場所に落ちていた水晶玉も……
服部「夢みたいやけど、ホンマの話なんや。いつかまためぐり合えるんちゃうかと思て……」
湯豆腐を前にしてしんみりと思い出にひたっている平次を見て、コナンと昴は笑いをこらえきれずにププッと噴き出した
服部「おい、何笑うてんねん」
昴「すみません。続けてください」
昴とコナンが笑いながら茶碗と箸を置くと、服部はムッとしながらブルゾンのポケットから巾着を取り出し、中に入っていた水晶玉をコナンに手渡した
服部「京都に来るときは、いっつも持ってくるんや」
コナン「……水晶玉か。どっかで見たような形だな」
昴「えぇ」
服部「ホンマか!?誰かおんなじの持ってるんか？」
昴「いや……」
昴の言葉に、身を乗り出した服部がガクッとうなだれる
コナン「……そんで？彼女はこのこと知ってんのかよ？」
服部「彼女って……ああ、和葉かいな」
水晶玉を受け取った平次は巾着に収めて、ポケットにしまった
服部「詳しいことは何も話してへんけど、知ってるみたいや……そもそも、あいつがこのことを知ったんは……」
服部と昴のバイクは貴船山と鞍馬山の谷を流れる貴船川沿いの街道を登って行った
やがて、左に曲がり、喫茶店の空地へ入る
空き地には乗用車が一台と、オフロードバイクが一台停められていた
服部「あれが鞍馬寺の西門や」
ヘルメットを取った服部は、川に架けられた赤い橋の向こうにある門を指差した
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 142人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「アニメ」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
マナ - Sorimachiさん» 作品ポイントはありますか？参考しようと考えています･･･ (2021年4月26日 22時) (
レス) id: 322163da4b (このIDを非表示/違反報告)
フラ - 作品を参考にする事ついて質問なんですが、作品参考していいですか？？ (2020年9月16日 22時) (レス) id: ead1db5ef4 (このIDを非表示/違反報告)
rin31gakukoko(プロフ) - 続きがきになります。更新頑張って下さた (2018年2月16日 7時) (レス) id: 9821ad2672 (このIDを非表示/違反報告)
ユリ(プロフ) - 更新待ってます続きが読みたい (2018年2月15日 23時) (レス) id: f266346369 (このIDを非表示/違反報告)
りえちん(プロフ) - 続きが気になります。更新楽しみにしてます。 (2018年1月29日 0時) (レス) id: a57a650362 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Sorimachi
| 作成日時：2018年1月7日 20時
