43話 ページ43
西条「そやけど《義経》はカシラに取られ、盗賊団で一番上に立つ俺は《弁慶》の呼び名をつけられたっちゅうわけや」
服部「仏像を独り占めしようとしたんは、やはり金のためか?」
西条「そうや。けど、私欲やない。洛中に義経流の道場作るためや」
西条はそう言うと、手を広げて本堂をチラリと見た
西条「この寺、カシラが住職やっててな。廃寺になった後も、管理はカシラがしとったんや。ほんで義経流の道場として使わせてもろとった。そやけど、三月前にカシラが死んで、寺は壊されることになった。もう道場として使われへんようになるんや!」
服部「……ひとつだけ訊いておきたい。竜円さんは利用しただけなんやな」
服部の問いに、西条は「そうや」と笑みを浮かべた
西条「前から仏像の話聞いててな。俺はあの手紙を山能寺に届けたら、案の定相談に来よった。それで、毛利小五郎に依頼するよう仕向けたんや。あいつには、毛利探偵が謎を解いたらすぐ教えるように言い含めといた。毛利探偵が謎を解いた時点で……」
服部「二人とも、殺すつもりやった」
服部が先回りすると、西条はフンと鼻で笑った
西条「そうや。桜をやったんは、あの男の手ェ借りんでも仏像を売る相手見つけられたからや。今はインターネットゆう便利なもんがあるさかいな。__さあ、もうおしゃべりはおしまいや。その水晶玉渡してもらおうか!」
服部「渡す代わりに和葉を放せ!」
西条「ええでェ。仏像の隠し場所教えてくれたらなァ」
服部「何!?」
西条「竜円からアンタが宝の在り処見つけたらしいちゅう電話もろたんや。その前に、水晶玉取ろ思て弟子たちにこの女さらわせてたんやけど、ちょうどよかった」
西条はそう言うと、和葉の両手を縛った罠をグイッと引っ張った
西条「さあ、仏像はどこや!?」
服部「この寺ン中や!」
西条「何やと!?」
服部「灯台下暗しってとこかな」
服部がニヤリと笑うと、西条は「嘘つけ!」と叫んだ
服部「嘘じゃない!!」
気迫のこもった服部の声に少し考えた西条は、和葉の背中をドンと押した
前のめりに数歩進んだ和葉が立ち止って振り返ると、西条は行けとあごをしゃくった
和葉が石段をおり、服部の方へ歩いていく
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マナ - Sorimachiさん» 作品ポイントはありますか?参考しようと考えています・・・ (2021年4月26日 22時) (レス) id: 322163da4b (このIDを非表示/違反報告)
フラ - 作品を参考にする事ついて質問なんですが、作品参考していいですか?? (2020年9月16日 22時) (レス) id: ead1db5ef4 (このIDを非表示/違反報告)
rin31gakukoko(プロフ) - 続きがきになります。更新頑張って下さた (2018年2月16日 7時) (レス) id: 9821ad2672 (このIDを非表示/違反報告)
ユリ(プロフ) - 更新待ってます続きが読みたい (2018年2月15日 23時) (レス) id: f266346369 (このIDを非表示/違反報告)
りえちん(プロフ) - 続きが気になります。更新楽しみにしてます。 (2018年1月29日 0時) (レス) id: a57a650362 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Sorimachi | 作成日時:2018年1月7日 20時