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第2Q:代償 ページ4

笠松「調子はどうだ」



早川「笠松先輩、頑張(り)ますか(ら)、お(れ)!!!!
絶対、黄瀬(りょ)うた なんかに負けませんか(ら)!!」



笠松「いや、早口だし何言ってるかわかんねーよ!」



『笠松先輩お疲れ様です。』


笠松「あ、ああ」


『ざっと見た感じだと帝光出身者はぼちぼちです。
あとは、全中ベスト8のレギュラーなど魅力的な選手も揃ってますよ』


笠松『ああ、そうか。ありがとう』


『まだこっちいた方がいいですか?』


笠松「あ、ああ…いや、ちがう」


『もう、どっちですか…!!』


笠松幸男は、部内全員が尊敬するほどのキャプテンシーを持つが、女子のこととなるとめっきりで
1年共にしてきた天神にでさえ、未だにうまくコミュニケーションがとれない。




小堀「ほら、笠松。天神が困ってるだろ。
ここは、もう二軍の人にお願いすることにしたから 練習に移ろう」



『はい』



小堀「…ごめんな、笠松が」

『いえ。皆さん面白くて私は好きですよ。
それに.......』



小堀「ん?」


天神が思い浮かべるは金髪のわんこ。



『きっと、黄瀬くんが来たらもっと賑やかになると思います。笠松さんと合うかは微妙ですけど』



笠松「あ、そういや.......その.......あれは.......」



『あれって、黄瀬涼太ののとですか?』


笠松「あ、ああ」

小堀「笠松といい、早川といいよく天神は分かるな」



『なんとなくです。
黄瀬くんは、帰りましたよ。
モデルの仕事があるからって』


笠松「…顔出した時しばいてやる」


小堀「あはは.......すごいな、そいつは…」





“キセキの世代”の獲得の代償だろうか。
ついつい苛立ちが伴ってくる。





『黄瀬くんは、本当はもっといい子なんですよ.......』






脳裏に浮かぶは自身の引退前の試合。
大量得点のスコアボードだった






『(あんなに楽しそうじゃないバスケなんて…)』




笠松「うっし、練習すんぞ。」





小堀「そうだな。キセキの世代なんかに負けてられないもんな」



『ドリンク準備しておきますね』




小堀「さんきゅー」



彼女が新しい世代を生み出した代償は
苦々しい思い出とバスケを辞めていった選手たちだった。

第3Q:帝光の先輩→←第1Q:出会いと始まり



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作者名:水無瀬。 | 作成日時:2020年1月3日 15時

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