reason….17 ページ20
「ああ、一個思い出した。私は地下出身だったわ。地下っていうのはね、異能の力が強い若い人、まあ子供を見つけてかっさらってくる。んでそいつらを閉じ込めておく場所。もしものために異能は使えてもほんの少しになるよう食事は最低限、そこの死因は大体飢え死にだ。それでも生きたい奴らが生き残る。」
聞いたことはあった。しかしそれを地下と呼んでいるとか知らなかった。
私にもまだまだ知らないことがあるな。
まあ16だ。気長に行こう。
「んで、なんで手前はそこに出向く?」
「私はその地下をぶっ壊したことがあってね。それから私がそこを一任されてるの。だからそこにいる子供らの命は私に一任されてる。今日は久しぶりに見回りと新しい子の管理だ。」
「はいはいはーい!」
「なに?太宰」
「きめぇ」
「2人とも冷たいなぁ、こんな案はどうだい?私も一緒に行く」
「好奇心だけで行くんならやめな」
彼女の目が鋭くなった。
「いやいや!滅相もない。」
「あそこは地獄だ。息をしたくなくなるほどの死臭。片付けても片付けても臭いは取れない。血生臭い。子供たちはみな鎖に繋がれ、目隠しをされ、犬のように飯を貪り水を舐める。」
「…………」
わたしも中也も黙った。
「気が狂いそうになる。狂ってしまった奴もいる。そういう奴らはさっさと殺す。騒音になるから…」
冷酷なことを彼女は言っているが、どこか哀しみも滲んでいる。
「まあ、教育のためだ。お前らも底辺を知るべき、汚いものを知るべきな歳になってきたからな。」
「大して歳変わらないのにうざったい〜」
「うっさいわぼけ!でも本当のこと。汚れなき世界で生きれたらどれだけ嬉しいか。でもそんなことできないから。私は泥水を啜り、それでも生きようとする彼らにこそ『生』を感じるよ」
「君の意見はたまに深いね。興味深い。(普段はあんなに馬鹿なくせに)」
「なに言ってんだかちんぷんかんぷんなだけだ。(太宰、それは同意見だ)。」
「あんたら、かっこで会話すんな!」
「結局連れて行ってくれるのかい?」
「あんた達に底辺を知る覚悟があるのなら」
「「ああ、もちろん だよ/だ」」
「キモいから被らないで中也」
心底嫌そうな顔を中也に向けてやる。
「うるせー!俺も手前なんかごめんだ!」
「早く行くよ」
彼女は歩き出した。地下へと……………
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煉華☆(プロフ) - 初めまして、こんばんは(*^^*)題名にひかれて読ませていただきました。描写が分かりやすく、とても読みごたえがありました!これからも頑張ってください! (2016年12月1日 22時) (レス) id: b70d4562c3 (このIDを非表示/違反報告)
瑚珀(プロフ) - ありがとうございます!更新頑張ってください! (2016年11月14日 21時) (レス) id: 028a65cf32 (このIDを非表示/違反報告)
マカロニサラダになりたい(プロフ) - 瑚珀さん» 読ませていただきました!「多分、それはきっと」ですよね〜?ショタ太宰さん読んだことがなかったので、新鮮で、これからのお話が楽しみです(*^^*)コメントありがとうございます!嬉しいです!お互いに良い作品を作っていきましょう♪ (2016年11月14日 21時) (レス) id: 16a1ec1eda (このIDを非表示/違反報告)
瑚珀(プロフ) - ふああ!すごく面白いです!!頑張ってください!本当に申し訳ないんですが、一度私の作品見てくれませんか、? (2016年11月14日 21時) (レス) id: 028a65cf32 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:マカロニサラダになりたい | 作成日時:2016年11月13日 0時