08.「そうだなぁ……」 ページ9
「ていうか素朴な疑問なんですけど……」
「なんだ？」
「カラ松さんって、吸血鬼なのに日光浴びてて大丈夫なんですか？」
今もこうして夕日に照らされながら堂々と立っているけれど。私の知る範囲では、日の光を浴びた吸血鬼は砂になるとか、石になるとか、とにかく何かしらのカタチで滅んでいた。
だから、平然といられるカラ松さんが不思議でならない。
「そうだなぁ……自分でも原理はよくわからないんだが、どうやらオレは兄弟と違って日光に強いらしくてな。夜も昼も関係なく、今のように外に出られるんだ」
「へぇ。吸血鬼でも個体差があるんですね……って、え？」
カラ松さんのセリフに引っかかる単語が１つ。
「き、兄弟がいるんですか？」
「……しまった……」
言ってしまった、という雰囲気で見るからに落ち込むカラ松さん。しかし私はそれどころではない。てっきり彼は天涯孤独なのだと思い込んでいたのだ。いや、うんごめん失礼だね。
「ちょっと驚きです」
「言うつもりは無かったのに……」
「どうして私に隠すんですか？」
やや不満そうにカラ松さんは唇を尖らせる。
「だって、ハニーの興味が兄弟に向くかもしれないから」
「ま、まさか。カラ松さんでだいぶキャラが濃ゆいんですから。もうこれ以上はお腹いっぱいですよ」
「ほんとか……？」
「本当です」
するとカラ松さんは嬉しそうにニパーっと笑った。もし今の彼に犬の尻尾が生えていたなら、きっと千切れそうになるほどブンブン振っていただろう。
というか、どうして慰めてるんだ私？
もしかして変な情でも湧いてしまったのかな、と軽く考えていたら今度は不意に右手を引かれた。勿論引っ張ったのはカラ松さんである。
「さあ、手を繋いで帰るぞ。夜は危険だからな、ハニー」
「……ふふ。切り替えが早いんですね」
「常にオレはポジティブだからな！」
「さっきまで泣いてたくせに」
しかも家までもう歩いて３分もかからないから、わざわざ手を繋ぐ必要なんてないのに。夜が危険だなんて言って、アンタが一番危険だよ。
「……」
まあでも、この手を離す気にならない私もいるんだけどね。
09.「今度はなんなんだ……」→←07.「全力で要りません」
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暇人(プロフ) - 泣いた (2018年8月12日 0時) (
レス) id: adf691658b (このIDを非表示/違反報告)
サクラ - 結婚してほしい主人公とカラ松くん! (2018年4月9日 15時) (レス) id: 82bd22f655 (このIDを非表示/違反報告)
衿川紗倉 - わああ！最高です！面白かったです！！おまけの更新頑張ってくださいね！ (2018年4月5日 11時) (レス) id: b3d6cd4611 (このIDを非表示/違反報告)
金平糖@ラビが大好きリーフパイ(プロフ) - わー！！完結おめでとうございます！！カラ松最高にかっこよかったです！おまけの更新、頑張ってくださいっ！！ (2018年3月19日 6時) (レス) id: 942887e5ad (このIDを非表示/違反報告)
アオト(プロフ) - タナトさん» コメントありがとうございます！そこまで感情移入していただけるとは光栄です！これからも頑張ります！ (2018年3月19日 1時) (レス) id: a3077fa68a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アオト
| 作成日時：2016年12月18日 1時
