18.「ひっ、6人です」 ページ19
「はぁっ、こんなに可愛らしい妻がいるオレは幸せ者だ……」
「なんで鼻息荒いんですか気持ち悪い!!」
「あと妻じゃない!」と言い返すが、全くと言っていいほどカラ松さんの耳には届いてないようだ。ふざけてこんな衣装買うんじゃなかった。ちくしょう。
「そうだ、丁度トド松と十四松もお姉ちゃんが欲しいと言っていたからな。ハニー、これからあの2人を弟として頼んだぞ」
「どんだけ段階すっ飛ばしてるんだよ……」
まあでも、トド松さんも十四松さんも愛嬌があって面白いし、弟にしたいタイプではあるよね。いや、万が一にも有り得ない話なんだけど。そもそも生きてる時間が違うから年齢的にもヤバイし。
──弟……といえば。
2人が私の部屋を訪れた時、帰り際にトド松さんが放ったセリフを思い出した。やけに意味深だったからか、微妙に頭の中にひっかかっているのだ。
……三男と四男には、気をつけてね。
「ねぇ、カラ松さん」
「なんだ?」
「カラ松さんって、兄弟で何番目なんですか?」
「オレは2番目だが」
「次男……。私、この前トド松さんに言われたんです。三男と四男には気をつけてねって。てことはカラ松さんの弟さんなんですよね。気をつけてって……どういう意味なんでしょうか」
彼の表情が固くなる。
「チョロ松と、一松のことか」
それが、三男と四男の名前。
「……あの2人は少し気難しくてな。オレ達とは“全く逆”と言っても過言ではないんだ」
「何が逆なんですか?」
「──人間への、好意だ」
あぁそうか、となんとなく察してしまった。
私はカラ松さんと接しているうちに、何か重大な勘違いしていたのかもしれない。トド松さんと十四松さんもそうだ。彼らはたまたま人当たりが良かっただけ。
吸血鬼全員が人間に好意を抱いてるとは限らない。
「カラ松さん、私に全部教えてください。兄弟のこと」
「……そ、それは」
「なんで隠すんですか?」
「だって、ハニーが危険な目にあうかもしれないし……」
「もうそんな細かいことはいいんですよ! カラ松さん兄弟が多すぎて私ワケわからないんですからね! 結局のところ何人兄弟なんですか!」
「ひっ、6人です。六つ子……」
「なるほど六つ子なんですね! ──……えっ、六つ子!?」
六つ子!? 待って、今、六つ子って言った!?
「はぁぁぁぁ!?」
カラ松さん、トド松さん、十四松さん。
道理で顔が似てるわけだよ!!
19.「……なんですか?」→←17.「言い方がいやらしい!」
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暇人(プロフ) - 泣いた (2018年8月12日 0時) (レス) id: adf691658b (このIDを非表示/違反報告)
サクラ - 結婚してほしい主人公とカラ松くん! (2018年4月9日 15時) (レス) id: 82bd22f655 (このIDを非表示/違反報告)
衿川紗倉 - わああ!最高です!面白かったです!!おまけの更新頑張ってくださいね! (2018年4月5日 11時) (レス) id: b3d6cd4611 (このIDを非表示/違反報告)
金平糖@ラビが大好きリーフパイ(プロフ) - わー!!完結おめでとうございます!!カラ松最高にかっこよかったです!おまけの更新、頑張ってくださいっ!! (2018年3月19日 6時) (レス) id: 942887e5ad (このIDを非表示/違反報告)
アオト(プロフ) - タナトさん» コメントありがとうございます!そこまで感情移入していただけるとは光栄です!これからも頑張ります! (2018年3月19日 1時) (レス) id: a3077fa68a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アオト | 作成日時:2016年12月18日 1時