17.「言い方がいやらしい！」 ページ18
「そ、そうか……だが気をつけるんだぞ。兄弟といえど、相手の考えてることはわからないからな」
「心配性なんですね」
「慎重、と言ってほしいな」
◆◆◆
自宅に到着して少し。
もう当たり前のように我が家に入り込むカラ松さんにツッコむことなく、私は今日買った物の整理をしていた。
そしてある程度済んだところで、最後の紙袋に手を伸ばす。
安かったから、という理由で買ってしまったそれ。
私は振り返ってカラ松さんにこう言った。
「少しの間だけ部屋を出て行ってくれませんか」
彼は当然不思議そうに首を傾げたが、何も言わずに大人しく従ってくれるのだった。
そうして、いそいそと私はその買ったものを身にまとい、すぐに部屋の外で待機しているカラ松さんを呼ぶ。ガチャリとドアが開いた。
「ハ、ハニー……！？ なんだその格好は」
「じゃじゃーん、吸血鬼でーす」
キラリンッと自分でも寒いと思うアイドルのようなポーズを決める。そう、今の私が着ている服は、ショッピングモールのとある店で安売りしていた吸血鬼のコスプレなのだ。
黒を基調とした若干露出度高めの服に、決して高いとはいえないクオリティの羽。
冗談半分で買ったそれらを、私はこうしてカラ松さんに見せている。あれ、今気づいたけど恥ずかしくねこれ？
「ど、どうですかねっ？」
急に小っ恥ずかしくなってきて、可能ならもう脱ぎたいのだけれど、肝心のカラ松さんがなかなか反応を見せてくれない。フリーズしていた。
「おーい、もしもーし？ カラ松さん？」
「──……っは！」
「お、生き返った」
「あ、ああぁぁぁぁぁぁぁ！」
急になに！？ なんで悲鳴あげてんの？
ド太い声を発しながら床でバタバタのたうちまわるカラ松さん。大の大人のみっともない姿に私は唖然とした。
とりあえず落ち着かせよう、と思った時、今度は一転してものすごく真剣な顔をした彼が不意に抱きついてきた。
私は驚いて硬直。
「Aっっっ！！ 結婚しよう！！」
「いやしませんよっ！？」
「だって、だって……！ オレのために吸血鬼になってくれたんだろう！？ 今すぐにでもご両親に挨拶を……！」
「ちょっと待ってこれコスプレですから！ これ現代の文明ですから！」
「なんだと……！？ オレの知らない間にそんな求愛方法が生まれていたのか！ 安心してくれハニー、オレはどんな姿の君も愛してる！ 上から下までな！」
「言い方がいやらしい！」
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暇人(プロフ) - 泣いた (2018年8月12日 0時) (
レス) id: adf691658b (このIDを非表示/違反報告)
サクラ - 結婚してほしい主人公とカラ松くん! (2018年4月9日 15時) (レス) id: 82bd22f655 (このIDを非表示/違反報告)
衿川紗倉 - わああ！最高です！面白かったです！！おまけの更新頑張ってくださいね！ (2018年4月5日 11時) (レス) id: b3d6cd4611 (このIDを非表示/違反報告)
金平糖@ラビが大好きリーフパイ(プロフ) - わー！！完結おめでとうございます！！カラ松最高にかっこよかったです！おまけの更新、頑張ってくださいっ！！ (2018年3月19日 6時) (レス) id: 942887e5ad (このIDを非表示/違反報告)
アオト(プロフ) - タナトさん» コメントありがとうございます！そこまで感情移入していただけるとは光栄です！これからも頑張ります！ (2018年3月19日 1時) (レス) id: a3077fa68a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アオト
| 作成日時：2016年12月18日 1時
