16.「……へ?」 ページ17
◆◆◆
「ハニー? 一体なにを買ったんだ?」
「内緒です」
たくさんの紙袋を抱えながら帰路につく私達。人通りの少ない道なので、私は人目を気にすることなくカラ松さんと会話ができる。
「それにしても、人間の文明は発展しているんだな!」
「逆にカラ松さんの知ってる時代って何なんですか?」
「うーん……侍というものは見たことがある。まあ、今まではあまり家からでることがなかったからな。時代の変化にはどうも疎くて」
へぇ、すごい、と感慨を漏らした。まあ500年以上も生きてたら色々興味なんて無くしちゃうのかもしれないけど。
「ていうか、カラ松さんの家ってどこにあるんですか?」
「し、知りたいのか」
「まあ、気にはなりますよね」
少し困ったようにカラ松さんは眉を垂らして、それからおもむろに遠くを指差した。その先にあるのは、町のシンボルとも呼べる小さめの山があって。
私の家からも結構近い、確か名前は……赤塚山だったような。
「あそこの
「や、屋敷……!」
「もしかして行きたいのか?」
恐る恐る、というようにカラ松さんが問いただせば、私は大きく首を上下に振る。山中に屋敷があるなんて今まで知らなかった! なんかドラマみたい!
個人的に興味が爆発した私。
カラ松さんのことだから、嫌々言ってもきっと結局は折れて許可してくれるだろうと高を括っていた。
がしかし、彼の顔は険しいまま。
そして私の両肩をガシリと掴んだ。
「すまないが、それだけはダメだ」
冗談味なんて皆無。本気でそう告げている。
初めて見る一面に私は有無も言えず、コクリと生唾を飲んだ。
「前も言っただろう、オレには兄弟がいる」
そう言われて脳内をよぎるのは、あの2人。
「ハニーに一体何をするかわからないからな」
「私、カラ松さんの弟さんに会いましたよ?」
「……へ?」
「十四松さんとトド松さん」
見つめ合うこと数秒、言葉を理解したらしいカラ松さんの目がカッと見開いて、同時に私の両肩をユサユサと激しく揺らした。
「な、なにかされてないか!? ハニーが酷い目にあっていたらもうオレは……!」
「いやそんな慌てないでくださいよ。別にカラ松さんの考えてるようなことは起きてませんから。むしろ歓迎されてたっていうか、まあ好感度は高めですよ! 多分!」
ぐっと親指を立てて苦笑いすれば、安心したようにカラ松さんは息を吐いた。
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暇人(プロフ) - 泣いた (2018年8月12日 0時) (レス) id: adf691658b (このIDを非表示/違反報告)
サクラ - 結婚してほしい主人公とカラ松くん! (2018年4月9日 15時) (レス) id: 82bd22f655 (このIDを非表示/違反報告)
衿川紗倉 - わああ!最高です!面白かったです!!おまけの更新頑張ってくださいね! (2018年4月5日 11時) (レス) id: b3d6cd4611 (このIDを非表示/違反報告)
金平糖@ラビが大好きリーフパイ(プロフ) - わー!!完結おめでとうございます!!カラ松最高にかっこよかったです!おまけの更新、頑張ってくださいっ!! (2018年3月19日 6時) (レス) id: 942887e5ad (このIDを非表示/違反報告)
アオト(プロフ) - タナトさん» コメントありがとうございます!そこまで感情移入していただけるとは光栄です!これからも頑張ります! (2018年3月19日 1時) (レス) id: a3077fa68a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アオト | 作成日時:2016年12月18日 1時