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彼女の場合03 ページ34






「えっ、ママ?」



とっさにキョロキョロと辺りを見渡すが、そのママと思しき人物はどこにもおらず。視界に映り込むのは、動揺しているおそ松さんと一松さんとトド松さんだけだった。


もしかして、と冷や汗が頬を伝ったとき……カラ松さんに続いてチョロ松さんと十四松さんが私に抱きつく。



「ママー!」



──私のこと!?




「だっこ!」



私を母親と信じて疑わない目……。これはいわゆる刷り込みというものではないだろうか。最初に見た動くものを親と認識するとかなんとか。


一松さんは幼児化した3人を見てすぐに逃げ出したようだから、多分私がさっき話しかけたことによってこの子達は完全に私を母親だと思い込んでしまったんだ。



とりあえずだっこをねだるカラ松さんを抱き上げ、頭を撫でてあげる。すると彼は気持ちよさそうに目を細め、ぽてっと私の胸に頭を乗せた。



「ぐすっ……」



なぜか耳まで赤くしたチョロ松さんが、目に涙を溜めながら顔を俯けていた。子供の行動を予知することはかなり難しいため、私もこの時ばかりはお手上げ状態で。



どうしたの、と問いただすとチョロ松さんは更に大きな声で泣き始めた。



「僕もっ、だっこ! だっこ!」



そんな涙声が私の耳に重く響く。



「ずるい! 僕も!」



同じく十四松さんが飛び跳ねる。


とは言え、私1人で子供を3人も抱き抱えるのは無理がある。あ、そうだ。




「──おそ松さん、トド松さん」



今、手が空いてますよね?



そう笑うと彼らは困惑した様子で「はい?」と裏返った返事をした。



「十四松さん、トド松パパですよー。チョロ松さん、おそ松パパですよー」



ぽんっと子供2人の背中を軽く押すと、たちまち覚束ない足取りでそれぞれのパパの方向へと走って行った。



「えっ、Aちゃん!? 僕子供の扱い方とかわかんないんだけど!?」


「トド松さんなら大丈夫ですよ」


「投げやり!?」


「A! 俺こういうのマジで困る!」


「チョロ松さんも嬉しそうですよ」


「無視か!」



さて、と。



いつの間にか眠ってしまったカラ松さんを抱いたまま、私は一松さんに体を向けてこう言い放った。



「……一松さんはトド松さんとこの子供になってしまうクッキーについて詳しく調べてください。3人が元に戻るまでの間は、私が母親として面倒を見ます」





 

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霧雨。(プロフ) - おそ松がいいです!! あと、この小説とてもおもしろく、毎回楽しく読ませて頂いてます。更新頑張ってください!! (2016年3月7日 22時) (レス) id: 284b3cefde (このIDを非表示/違反報告)
前夜祭(プロフ) - オチアンケおそ松かカラ松希望です! (2016年3月7日 16時) (レス) id: 6606c6a7c9 (このIDを非表示/違反報告)
彩音 - おそ松がいいですー! (2016年3月7日 6時) (レス) id: 4e296d3f49 (このIDを非表示/違反報告)
ルウルウ(プロフ) - オチは一松でオナシャス!あ、でも全松見てみたいかもです…w (2016年3月6日 23時) (レス) id: b3bf073a55 (このIDを非表示/違反報告)
沼の門番松(プロフ) - んー出来れば全松バージョン作ってほしいんですけど、大変だったらチョ、チョロ松を…お、お願いします(OvO) (2016年3月6日 16時) (レス) id: 74d4b89a29 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:アオト | 作成日時:2016年1月24日 10時

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