Ex 7.《勝敗の裏》 ページ31
ボールが弾む音が心地いい。
何度かゲームを繰り返すうち、いつの間にかオレたちの使うコートの周りには他のコートでプレイしていた中高生をはじめ、通りすがりの人たちまでが集まってきていた。
爽やかな秋晴れの下、みんなの汗が時折飛び散っていく。
これを最後にしようと言ったからか、緊張感のあるゲームは接戦で、お互い一歩も譲らなかった。
「んだよ、ちょっとは先輩に華持たせろよな」
「それはこっちのセリフだよ。ニノ見てんのに」
先輩とまーくんがそんな軽口を叩き合いながら、相手の隙を狙ってシュートを決めていく。
オレはいっときも目を離せず、じっと見つめていた。
手にした飲み物を口にするのも忘れて、勝手に握り込んでいる手のひらは汗ばんでいる。
別に負けたってどうってことない。
それはわかっているはずなのに、真剣な姿にオレは心からまーくんを応援していた。
前半の５分が終わって３点差。
最後に先輩のシュートが決まって１点差から広げられている。
それでもまだまだ試合の行方はわからない。
水分補給にきたまーくんにオレはスポーツドリンクとタオルを手渡した。
「お疲れ。いい勝負じゃん」
「ありがと」
言いながらオレの手から受け取ったペットボトルの中身をゴクゴクと一気に飲み干し、タオルで汗を拭く。
そして使い終わったタオルをオレに向かってふわりと投げると、オレを指差して言った。
「俺、負けないから！」
「っ…」
走ってコートに戻っていくまーくん。
コートの周りに集まっていた人たちがチラチラとオレを見る。
恥ずかしい…けど、すごく誇らしくてうれしい。
オレはまーくんの汗が沁みたタオルをギュッと握りしめると試合が再開する前のコートに向かって叫んだ。
「頑張れよ！負けたら飯奢ってもらうから」
「あひゃひゃ、わかった。約束ね！」
コートの上でまーくんが笑いながらサムアップを返してくる。
先輩はそんなオレたちをニコニコしながら見ていた。
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LILY(プロフ) - taekoさん» taekoさん、こちらこそありがとうございましたー！中途半端なままだった心残りをドバッとお届けしちゃいましたよ（笑）『遠くても近くで』まさにその言葉通りですね！距離を感じないネットの世界から繋がったふたり、きっとこの先はそのキモチでさらに強く繋がるはず♪ (2019年2月12日 4時) (
レス) id: ec7070c826 (このIDを非表示/違反報告)
LILY(プロフ) - ちえさんさん» ちえさん、こちらこそいつもありがとうございますー(≧∀≦) CMみたいだなんてもったいないお言葉、ニマニマしながら頂戴しております。空を見上げて思いを馳せる恋人たち。もしかしたら今日あたりもみなさんソワソワ見上げてしまうかもしれませんね（笑）…蛇足でした (2019年2月12日 4時) (レス) id: ec7070c826 (このIDを非表示/違反報告)
LILY(プロフ) - ケイ♪さん» ケイ♪さん、お返事遅くなってごめんなさい！おっしゃる通り、二人だけじゃなくて周りも…ね！苦しい時には相談なんかもしつつ、きっとこれから先さらに絆を強めて、乗り越えていくんだと思います(≧∀≦)こちらこそ最後まで読んでくださってありがとうございました！！ (2019年2月12日 4時) (レス) id: ec7070c826 (このIDを非表示/違反報告)
taeko(プロフ) - 幸せなお話をありがとうございました。ふたりのその先も、潤くんの恋の行方も、まーくんと先輩とのつながりも読めて嬉しかったです。このふたりはこれからも遠くてもきっと近くでつながっているんだろうなあと思います。これからも幸せに！ (2019年2月11日 20時) (レス) id: 19e5ee6628 (このIDを非表示/違反報告)
ちえさん(プロフ) - 完結おめでとうございます。『幸せはここにある』某CMのような素敵なお話でした。いつも、ありがとうございます♪ (2019年2月11日 19時) (レス) id: 95c0076933 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：LILY
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/list/Colorfulstory/
作成日時：2019年1月26日 5時
