迷ヰ犬達の反応記録 一冊目

→ ページ32

『私は、猟犬。

…だから、貴方達を捕まえる』


芥川龍之介
「ふん、軟弱な振りも演技であったか」
ニコリと笑うだけで否定しない貴女。夢であって欲しいと思いますが、これは紛れもない現実。
「僕とて、はいそうですかと捕まる程弱くはない」
『だから、油断させる為に色仕掛けをしたのよ』
貴女のこの言葉が嘘か事実かは、Aさんしか知りません。


中原中也
「チッ、好きだったのは俺だけか」
ふふっと可憐に笑う貴女の顔は、もはや構成員だった頃の貴女の顔ではありません。色仕掛けに掛かったのは彼です。
「幹部として、確り俺の実力を味わってもらおうか」
勝ったら、貴女に戻ってきて貰う事を条件として。


森鴎外
「知っていたよ。まあ、知っていて騙された私にも非は有るだろうが…」
『じゃあ、此の儘死んでくれますか？』と云う貴女の笑みに、ふっと笑う彼。何方も笑顔ですが、その場の雰囲気は重いです。
「組織を束ねる長として、はい分かりましたとやられる訳ないだろう？」
態々首領の執務室で仕掛けた貴女に、僅かな希望を感じている彼。


坂口安吾
「そうなんですね。過去に人を殺した僕の事も捕まえるつもりですか？」
『まあ隊長に云われれば』と呑気に笑う貴女に、どこか種田長官と似たところを感じる彼。
「まあ僕としては仕事をしてくれるならそれでいいです」
それに、恋人と戦わなければならないのは嫌だから。


種田山頭火
「そうか」
今まで何処か怪しいとは思っていたものの、猟犬と繋がりがあるとは思わなかった。
『平和の為なら何でもします！』と云い切る貴女に、
「Aは儂と同じところまで落ちてきてくれるな」
彼の望む平和な世界は、貴女は笑って過ごせる世界でもあるから。

寝ている彼らの頬をツンツンしてみたら　【月兎様リクエスト】→←夢主が猟犬だったら　【月兎様リクエスト】

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す