短編：潮騒（戦国無双 長宗我部元親） ページ7
磯の香漂うとある日常―
「元親様？何処にいらっしゃいますか？」
時折、主君・長宗我部元親様は姿を消す。
近くの浜辺で三味線を奏でているならまだいい方で、知らない内に京まで行って三味線を一本駄目にしたと聞いた時には流石に驚いた。
「はぁ…急ぎの要件があるというのに…何処に行ったのでしょう？」
全くどこに行ったのか当ての無さについつい溜息を吐いてしまう。
そこに偶々通りがかったのは小少将様だ。
「あらぁ〜？Aじゃない。どうしたの？溜息なんてついちゃって。」
「あの、元親様がどこにいるかご存じありませんか？」
「いいえ、知らないわ。また何処かの浜辺にでもいるんじゃない？」
「そうですか…。」
小少将様も知らないとなると、近くにはいないのかな…。
とりあえず、元親様がよく居る浜を巡ってみよう。
ベンッ ベンベン ベン ベンッ
あ、微かに聞こえるこの音は、元親様の三味線に違いない。
「元親様！ようやく見つけましたよ！」
私がまだ少し遠くにいると思われる元親様にも聞こえるように、大きな声で呼びかけると、三味線の音がピタリと止まった。
そして、サクサクと砂を踏みしめる音が段々と近づいてきた。
「Aか。どうした？」
「…どうしたもこうしたも、勝手に何処かへ行くのはおやめくださいと何度も申し上げた筈…！」
私がここへ来た理由に全く察しもついていない様子の元親様に少しだけイラッとしてしまった私は悪くないと思う。
「ならば、その言葉に俺は抗おう！凄絶に！」
はぁ…もういいや。用件だけ伝えて、とっとと帰ろう。
「元親様、明智様から急ぎの書状が届いております。では、お伝えしましたので。」
サッと踵を返し、そのまま帰ろうとする私の腕を、何故か元親様は掴んできた。
「まあ、待て。来い。」
そう言うや否や、何処かへ歩き出した元親様。
そして、その先に広がっていたのは、広い海原と白い砂浜、橙に染まる夕日が美しい場所だった。
私がさっきまでのことをすっかり忘れて、ついつい見とれてしまう程だ。
「ここが一番美しい景色を見られる場所だ。Aに一目見せてやりたくてな。ここで待っていたという訳だ…では、戻るとするか。」
なんだろう…妙な気持ちだ。
私の為に待っていたという彼の言葉だけで、これまでのことを許してしまいたくなるような…。
この気持ちに、名前はあるのだろうか…？
許嫁がいると嘘をついてみた（戦国BASARA） ＊カルファ様リクエスト→←奥州特攻目安箱の読み手になってみた（戦国BASARA）
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仙麗(プロフ) - 苺恋姫さん» 無事、続編へ移行させていただきました。いつもコメントやリクエストいただきありがとうございます。励みになります！ (2021年5月11日 15時) (
レス) id: c4c63c64ef (このIDを非表示/違反報告)
苺恋姫(プロフ) - 続編待ってます！頑張って下さいp(^^)q (2021年5月8日 22時) (レス) id: 0337b4f0d4 (このIDを非表示/違反報告)
仙麗(プロフ) - こちらこそありがとうございました。ご期待に副うことが出来たようで良かったです。今後とも『戦国書簡』をよろしくお願いします。 (2021年4月11日 17時) (レス) id: c4c63c64ef (このIDを非表示/違反報告)
苺恋姫(プロフ) - 書いていただき本当にありがとうございました！(*^^*)充分甘かったと思いますよ！応えていただいてありがとうございます！m(__)mこれより甘い話を…っていう時はまたリクエストする時に頼ませていただきます！(^^)/充分胸キュンしたのでお気遣いありがとうございます！ (2021年4月10日 22時) (レス) id: 0337b4f0d4 (このIDを非表示/違反報告)
苺恋姫(プロフ) - いつもリクエストに応えていただいてありがとうございます！(*^^*)アンケートの「応援されてみた」でも、悩みが吹き飛んでいくような気がしましたp(^-^)q書いていただき本当にありがとうございます！(*^^*)これからも無理なく、頑張って下さい！q(^-^q) (2021年4月5日 14時) (レス) id: 0337b4f0d4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：仙麗 | 作成日時：2021年1月12日 17時
