９（Yside） ページ9
真っ青な海と真っ青な空が水平線で繋がっている
俺達の立つ岩の下には綺麗な緑が広がって、その緑と青を繋ぐように白い砂浜が横に広がっていた
「あそこがさっきダイニングにしようって言ってた広場でしょ？」
「あ、北山のパンツが見えるよ。」
「あはは。ホントだ」
さっき干したミツの洗濯物が風になびいて、まるでこの島のシンボルの旗みたい
「あれさ、このままあそこに置いとかない？目印になってちょうど良いよ。」
「は？ヤだよ。恥ずかしい//」
「そう？なかなかいいと思うけど。」
「もう！横尾さんまで…」
怒った顔も可愛くて、つい苛めたくなっちゃう
「ダイニングも整理しなきゃな。」
「そうだね。そろそろ戻りますか。」
途中、幻の木の実を探しながら、椅子や机になりそうな木の枝や板を拾っていく
戻った広場で俺はテーブルや椅子を作り、ミツと太輔は倒れた木を片付けたり、邪魔な草を取り除いたりしていた
「ね、見て！」
ミツが嬉しそうに声を上げる
振り返るとミツの後ろに岩場が見えた
「草の陰に隠れてた。なんか洞窟の入り口みたい！」
中を覗き込むと、岩が重なった部分が人が入れそうな空洞になっていた
「少しの雨なら、ここで防げそうだね。」
「じゃあ、ここは俺達の休憩場所って事で」
ミツが空洞に入って中を綺麗にしていく
太輔と島に転がってる岩や石を集めて調理場を整えたら…
「おおっ！いい感じ！」
「上出来だね！」
「じゃあ、秘密兵器出しちゃいますかね。」
ここで俺の調理器具、お披露目の時間
「おおっ！さすが横尾さん、調理器具半端ねぇ！」
大興奮のミツを見てると、重い思いをして持って来た甲斐がある
「二人の為に美味しい料理作るからね！」
「楽しみだなぁ！」
そう、その言葉を待ってた
俺の料理でミツを笑顔いっぱいにしてみせる
ミツを俺の料理の虜にさせて、俺と一緒にいればもっと幸せになれるよって伝えたいんだ
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作者名：MISA
| 作成日時：2015年9月14日 21時
