６（Yside） ページ6
俺と太輔の前を弾んだ足取りで進んでいくミツ
その後ろ姿が可愛くて思わず顔がにやけてしまう
「渉、顔。」
「太輔だって。」
「……まぁ…仕方ないか」
あんな楽しそうなミツ見たら、顔が緩むのは必然
波打ち際を歩くミツが俺達を振り返って、手招きする
「ねぇ、あの岩場までかけっこしようよ！」
「えぇー？！結構距離あるよ？」
「負けたやつが、一人で海の中探索な！」
太輔と顔を見合わせる
1人で海に入る事なんて、大したことじゃない
けれどこれは、早速ミツと二人きりになるチャンス
「おっしゃー！勝ったるぅ！」
「俺だって負けねぇ！」
「うははは！よしっ、行くよ。よーいドンっ！」
ミツの掛け声で一斉に走り出す
太輔も、俺も負けじと必死だ
後少し…って所で…
波に足を取られてミツがすっ転んだ
「うわっ！」
「「へっ？」」
突然の出来事に俺も太輔も、足を止めることができずに、そのままゴール
「あはははっ！派手に転んだぁ！」
「…マジか」
ミツと二人になりたくて頑張った結果が、まさかの太輔と二人きり
「お前かよ！」
思わず漏らした一言に
「それ、俺のセリフ。」
太輔がうんざり顔でそう言った
「うわぁ…、見て！服べちょべちょ…。ついでに海ん中探索してくるわ！」
華麗に服を脱ぎ捨てて、ミツが海に飛び込んでいく
「どうする？」
「もちろん俺らも行くでしょ。」
慌てて水着に着替えて、ミツの後を追う
「あれぇ？2人も来たの？」
「うん。ミツがあんまり気持ち良さそうだったから。」
「これじゃ、かけっこの意味なかったじゃん。」
「勝手に始めたの北山だし。言った本人が転んで最下位だし。」
「んははは。確かに。ってか、何？2人とも水着に着替えてんじゃん！」
「だって、なるべく服汚したくないもん。」
「…」
明らかにシマッタ！って顔のミツ
そんなミツがまた可愛くて
「んふふ。後で乾かせば大丈夫。それより何か魚いそう？」
「あ、うん！いっぱいいるっ♪」
「マジ？皆で潜ろうぜ！」
綺麗な海に3人で潜り込んだ
そこには沢山の魚達が優雅に泳いでいて
水面にはキラキラ太陽が光ってて
まるでこれから始まる無人島での3日間を象徴してるみたいだった
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作者名：MISA
| 作成日時：2015年9月14日 21時
